「一瞬の風になれ」を書いた佐藤多佳子が日本男子4×100m(4継)チームのメンバー(塚原、末續、高原、朝原、小島)へのインタービューをもとに書いたドキュメンタリー。
特にその存在さえ忘れがちなリザーバーである小島の存在についての記述は「チーム」としての一体性を感じさせられるエピソードだ。
このメンバーで大阪世界陸上でアジア記録を打ち出し、北京五輪では銅メダルに輝くわけだがトップアスリートが遭遇する道無き道を自ら造らねば前へ進むことができない一種の苦悩が分かる。
才能で走れるのは11秒まで、そこから先は先人の少ない領域となり「先例の無い」練習をもこなさねばならない。
「昨日より速い自分」を求め、自分に合う合わないを判断、方法を取捨し、試行を続けなければならない。
ピストル鳴った!思いっきり走った!ゴールした!(俺ってスゲー)では済まされない世界がそこにある。
ランナーは頭で走る。
マラソンランナーにもお勧めだ。
「★★★★☆」
-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-
2008-10-03
「夏から夏へ」-佐藤多佳子-
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