-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2008-10-06

レースプラン?なにそれ、おいしいもの?-第30回別海町パイロットマラソンレース回顧-

昨日から来ているのに受け付けをしていないので、とりあえず先にナンバーカードをもらいに行く。途中、おやぢさんと出会い、ダラダラと競技場入り口へ。
カッチさんを発見!今日のカッ飛び爺もやる気オーラがでまくりだ。

僕等はナンバーカードを受け取り荷物の準備、キャンプの最低限の撤収作業をするため、キャンプ場に戻る。

しなそばさんもそれなりに気合いが入って来たのかアップをしたかったようだが、僕はノーアップなので申し訳ないことをした。(別に気合いが入っていなかったワケではない。ストレッチ等はした。体力を温存したのだ。)

そんなこんなで再び競技場へ行く。
カナダさんも来ていた。うれしかったがやっぱりちょっと寂しい気がした。

いよいよスタート。
今年は参加者が多いらしく、去年と比べると比べものにならないくらい混雑している。2kmくらいまで前のランナーの足(踵)を踏みそうになり、かなりのストレスを感じる。
僕は急いでいるんだよ!
そう、どこまで行けるか5分/kmのテスト。作戦もペース配分もレースプランもへったくれもない。とにかく5分/kmで行くことしか頭にない。
浅井えり子を捜しながら頑張り走。
スタート~5km(00:25:31)

5km過ぎカッチさんに抜かれる。あれ?3:35:00狙いって言っていたじゃない!!(笑)
コースにこれほど日陰があるとは思ってもいなかった。日陰は寒さを感じるくらいだ。
心拍数は160~165の間。順調といえば順調に走ってこれている。ただ、正直、結構イッパイイッパイな状態だ。
道マラの時の平均心拍数が162だったので、この領域なら速度は落ちても最後まで走れるだろうと漠然と考えていたが、どうやら相当ヤバイぞと感じる。30kmまでか25kmまでか...
5~10km(00:24:55)

予定通りに頑張れている。本当にどこまでもつだろうか...
と思っていたやさきに後ろから肩をポンポンと叩かれる。誰?と思ってみたらスコップさんだった。スコップさんの顔を見て先日のしなそばvsスコップを思い出し、逃げるそぶりをしてみる(笑)。
スコップさんに「良いペースでしょ」と言われるが、僕は「正直、イッパイイッパイ」と答える。本当にイッパイイッパイなんだ。
「心拍数なんぼ?」に「165」と答えた。スコップさんは僕が本当にイッパイイッパイだということが分かったらしくにジワジワと前に行く。
僕も追うと考えたが、ペースは予定通りであること、心拍数がリミットであることからジッと我慢。
10~15km(00:25:06)

1/3まで来た。こう考える時点でかなり危ういというのは経験者なら分かってもらえると思う。
正直、どこまで走れるのか分からなくなってきた。
10km以降、1kmごとの距離表示を見つけるたびにLapボタンを押してきた。5分/kmが維持できなくなっている。まだ、半分まで来ていないのに...
それでも、折り返しランナーにおやぢさん、しなそばさん、カッチさん直ぐ後ろにスコップさんを発見して、頑張れサインを送る。
15~20km(00:26:05)

気持ちは元気のつもりだが、足が出なくなってきた。既に距離表示の看板が発見できなくなってきた。走るだけで精一杯な状態。腿裏が痛い、ケツ筋が痛い。
せめて35kmまではこのペースを維持してみたい。カナダさんは洞爺湖でそれをやっているのだ。35kmが無理なら30kmまででも良い。
とか思っていたが、ペースはどんどん落ちる。下りに助けられたせいもあるが5:20/kmをかろうじて切る程度。キツイ。
20~25km(00:26:34)

右ふくらはぎが「ぷるぷるっ」と来る。来たな、おもったよりも遙かに早く来た。往路で約30mほど上るコースで足の力だけで走る悪いクセが出たのだろう。
重曹は服用しないでスタートした。ウエストポーチにも重曹は入れていない。来たるべく「痙攣」を防止する具体策は知らない。
自然とペースは落ちる。右ふくらはぎが「ぷるぷるっ」から「プリプリっ」に変わって来た。なんかいよいよ来るぞって感じ。そうこうしているうちに左ふくはぎが「ぷるぷるっ」し始める。
立ち止まって屈伸するか?いや、止まると走れなくなる。でも、このまま「プリプリっ」が「ピキーーーン」に変わったら動けなくなるぞ。この感覚、ここ数年忘れていたけど「とよころ以来だな」などとどうでも良いことがフラッシュバックする。
「ピキーーーン」と来たときの状態を恐れ、立ち止まり屈伸運動をした。まだ30kmだというのに。

まだフルマラソンは始まっていないというのに...僕の別海の挑戦は終わった。いや、始まらなかった。
25~30km(00:39:15)

屈伸したり、歩いたり、そして走ったり...両方のふくらはぎの痙攣に右内転筋も「ぷるぷるっ」から「プリプリっ」に変わって来た。
距離表示板の存在など、どうでもよくなっている。早く帰りたい(笑)。
収容バスが見える度にあれに乗りたいと思う。完走賞の鮭なんてどうでも良い。(でも、バターは欲しい。あれは参加賞だから大丈夫だなとか、収容車に乗る為の心の整理を始める。)

「もう止めます」と言って、バスに乗ったらすぐに発車してくれるのだろうか?バスの止まっている場所から察するにバスが出て行くためにはランナーを止めなくてはならない。そんなことはしないはず。
じゃ、走って帰った方が早いんだなと再び頑張る。
ああ、そうだ。多分37km地点くらいにキャンプ場へ抜けるショートカットの道があったな。あそこでやめよう。とか、やめることばかり考え始める。(完全に心が折れた)
30~35km(00:32:48)

屈伸したり、歩いたり、走ったりがまだ続いている。
北の大地さんに抜かれた。「ガンバ」と声をかけられる。はっと我に返る。
確かに今の僕はガンバっていないな。北の大地さんの言葉、折れた心をギプスのように繋いでくれた(骨接ぎじゃないけど)。
痙攣しているときは頑張れないけど、走る時はもうちょっと頑張ろう。歩きもダラダラ歩くのではなく、もうちょっと早歩きにしよう。
屈伸運動は走れないもっとも「らしい」言い訳を体で表現しているだけだな。余分な屈伸はしないぞ。ガッチリ痙攣したら、その時に考えよう。時計を見る。残り距離から痙攣さえしなければサブ4は行けるかも?計算あっているのか?(計算できない)

例のショートカットでキャンプ場へ行ける道に来た。やっぱり帰りたい(苦笑)。
でも、競技係員がいない。ここで帰ってもどういう手続きが必要なるんだろうか?というか、自分で分からないから係員に聞きたかったのだが、聞く相手がいないので完走することにした(大笑)。
これで鮭は僕のものだ。堂々と俺のものだ!と都合の良いことだけを考える。

ここからちょっと先のセイコーマートでカナダさんとトモさんを発見!
カナダさんに「ここから死ぬ気で頑張ってください」と言われるが、内転筋がまだぷるぷるしている。というか、冷静に今思い返してみるとその時の僕はやけに元気があったような気がする。
35~40km(00:37:14)

市街地に入り、右折するともうちょっとで40km。
時計に目をやるとどう考えてもサブ4は無理な時間帯。ま、しょうがない頑張らなかったものな。サブ4ランナーの看板を下ろす覚悟を決め、残り2kmの看板からどれだけ走れるか頑張り走。国道から右折して競技場に向かう直線。もう、上っていようが下っていようが関係ない。
サブ4を目前にして、間に合わないことを知りつつ走るランナーを次々に抜く。サブ4に間に合わないのは僕も一緒だ。
サブ4ランナーの看板を下ろす覚悟をしてふっきれたのか、蓄積された乳酸が霧散したのか5:10/kmで走れている。僕はいったいなにをしていたんだ?と自嘲気味になるとなぜか

「♪...私を忘れて、先輩。ギロッポンの夜に...ぽっぽ...心がないのよ、先輩。...ぽっぽぽぽぽぽぽぽ...」
なぜここでその歌が?!
人は奇妙な時に奇妙な歌を思い出し、頭の中で再生されるものだな(大笑)。

いよいよマラソンゲートをくぐり競技場へ!第1コーナーと第2コーナーの中間あたりで仲間がたむろっている。微妙に嬉しかった。第4コーナーまではほぼ全力疾走、直線に入ると前のランナーを抜かないようにゴール。ラスト1kmは5:08/kmだった。
(ゴールタイムは4:05:35)

僕の別海町パイロットマラソンは自らの力不足で始まることがなく終わってしまった。
結果は残念に思うが、奇妙なやり遂げた感があるのも事実。この変なやり遂げ感が大きく感じられ満足感もある。
来年への明確な目標が持てたことと、その課題と強化策がなんとなくではあるが頭に浮かぶ。(今までと同じことをしてても無理だということが分かった)
また、来年に向けて頑張ろうと思う。

ところで、帰り道に寄った温泉で飯に「かつラーメン」を食ったのだが、かつラーメンが到着するまでにichanさんから「乳酸が溜まって足が動かなくなったのでしょうね。走り込み不足ですね。」とフツーに言われ、ギクっ!としておく。確かに歩いてはいたが、走っていないウィッシュ!(無理付け)

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

お疲れ様でした

まずは完走おめでとうございます。

いつも思うことなのですが、

たしろさんの文章って自分も走っている感じがします。

あと少しでサブフォーでしたが、

問題点が色々と浮き彫りになりましたね。

今年度はもうフルは走らないんですか?

私は19日に国立競技場を走ってきます。

たしろ さんのコメント...

To:吉田さん
ありがとうございます。
僕の文章を読んで、一緒に走った気分になってくれるという最高の褒め言葉、嬉しいです。
何度も折れたこころを繋ぎ合わせてゴールすることができました。一人で参加していた大会なら、やめちゃったと思います。
吉田さんも大会に出られるでしょうが、ネットで知り合った仲間と顔見知りになっておくのは、心の支えになると思います。時には折れた心のギプスにもなります。仲間は貴重です。機会があればご一緒したいですね。
今年のフルマラソンは、昨日の別海が最後です。あとは日本一寒い町陸別町でのハーフマラソンがあります。今回の前半ツッコみ走が良い刺激になったと誤解して頑張ります(笑)。
吉田さんは国立競技場を走るのですか!ちょっとうらやましいです。