恒例のひとり反省会。
今回はFr201を忘れるという大失態を犯したので、もっぱらS610iのデータによる反省を試みようと思う。
まず、この大会で目指したものは「自己記録の更新」だった。なんどかここの記事でも「僕は速くなっている」と現実には白糠ロードレース(10km)やマラソンを楽しむ会(ハーフ)では、去年の記録を下回っているくせに吹聴してきた(笑)。
それは、短い距離(1km)のタイムは去年よりも速かったし、今年の洞爺湖マラソンでも後半の落ち込みを踏ん張り自己記録を更新したというネバリも去年よりも上だと実感していたからだ。
ハーフの勢いでなんとか持ちこたえられると思われる今回の30kmレースは、気候もよい時期で自分の力(ありていに言えば、スピード持久力の現況)を知る絶好のチャンスだったし、春からの本格的な練習の成果を試すにはこの上ないものと思っていた。
ただ、10km以上のペース走(ちょいキツメのやつ)を全然していなかったので、本当に僕は速くなっているのか?というのはよく分かっていなかったし、あまり自信がなかったのが本音だったりする。
それでも、なんとなく「去年よりは速い」と楽観的だったりしていた。
結果は、すでに「第36回釧路湿原マラソン-惨敗、復活、思わぬ伏兵登場-」に書いた通りで、自己記録には遠く及ばなかった。ついでにカナダさんとのバトルにも5分という大差で惨敗を喫した。
バトルの結末は「結果」であって、僕もカナダさんも自己記録を目指していたのだが、残念ながら二人とも去年の記録を上回ることはできなかった。多分、カナダさんもバトルの結果よりもそのことの方が気がかかりではないだろうか?(僕は気になっています)
そこで、相変わらず過去のデータを取り出し、適当なご託を並べつつ、もっともらしく自分を納得、奮起させる手段として、ある局面では都合良く、ある局面では厳しい眼で先日のレースをデータ(数字)を使って反省してみようと思う。(但し、釧路湿原マラソンは距離に疑惑があるようだが、その実証ができないので距離についての疑問は排除する)
レースプラン
レースプランとしては、4分50秒/kmくらいで、最後は頑張って2時間25分切りを目指していた。
今思えば、最初からどこか集中力に欠けていたというか、やる気の感じられない行動が多かったような気がする。ペースを知る上で強力な武器となるべくFr201を自宅に忘れてくるという失態。さらに、自己ベストを目指していた割に去年のLAPタイムを参考にしないばかりか、調べもせずに今回のレースに臨んでいた。どこかやる気が感じられないと言われても反論の余地なしだ(苦笑)。
体重について
ついでに当日の朝計量も下表にメモした。
今回は朝体重計に載って数字を見たときに愕然としたが、過去の記録と比較してみるとさしたる増量ではなかったように思えるが、現在の体重計は従前のものよりも軽く計測されるので、その辺りの影響について単純比較は難しい。
LAPタイムの比較
2008(70kg) | 2007(69kg) | 2006(69kg) | ||||
5 | 0:24:30 | 0:24:30 | 0:23:37 | 0:23:37 | 0:25:45 | 0:25:45 |
10 | 0:24:16 | 0:48:46 | 0:24:02 | 0:47:39 | 0:25:46 | 0:51:36 |
15 | 0:24:11 | 1:12:57 | 0:23:13 | 1:10:52 | 0:25:48 | 1:17:19 |
20 | 0:25:45 | 1:38:42 | 0:25:02 | 1:35:54 | 0:26:29 | 1:43:38 |
25 | 0:23:33 | 2:02:15 | 0:22:54 | 1:58:48 | 0:26:34 | 2:10:12 |
30 | 0:29:45 | 2:32:00 | 0:27:30 | 2:26:18 | 0:26:35 | 2:36:47 |
上記表は過去3回分との比較の為に作成したもの。
去年はスタート直後からichanさんに付いて行きすぎて速いペースで進んでいた。その反省もあって、今年はS610iの心拍数と途中のLAPタイムを参考に調整していたので20kmまでは比較的安定的なペースを刻むことができたと思うし、余裕もあった。上記のタイムには現れていないが、20kmから少々足が動かなくなり、河川敷を南下するコースに入ってからは向かい風との戦いでほぼ足を使い切った印象を持っている。
25km以降は風が気にならなくなったにも関わらず足は完全に止まったのがタイムにも現れている。
ちゃんと頑張っていたのか?(心拍計のデータから検証)
下記グラフは心拍計から取得したデータ。緑が今年、紫が去年、赤が一昨年である。
心拍数と速度の関係については、ある一定水準までは比例的な関係にあることが知られている。
一見して、25分経過以降の心拍数の推移は一昨年(赤)と似た水準であることが分かる。また、先にツッコミすぎないように心拍数とLAPタイムとの関係で調整したと書いた。10分経過後に緑色グラフが下がり始め、17,8分以降安定して保てているが分かる。調整に成功した証拠だろう。
一昨年との比較では、同一心拍数水準での速度が速いことが分かる。少なくても僕は一昨年よりも楽に速く走れているし、余裕はある。
昨年の心拍数がもっとも高水準である。心拍数の推移には大きな変化も見られるが、心拍数が落ちたらあげる努力をしているように見える。本当に去年は頑張ったんだなというのが素直な感想だ。
今年は、先の調整にも成功した様子が心拍数の推移で分かる(1)他、20kmまでは心拍数の推移に大きな変動がなく体感していた通り余裕を持って走れていた(2)様子の裏付けだろう。
20km以降、徐々に心拍数が上がり始めるが、これはコースに上りがあったことと、その上りでカナダさん達がペースを上げたこと、更に河川敷地に入り向かい風の中を頑張ったことによる影響(3)と思われる。
2時間ちょっと手前あたりから心拍数水準が下がり始めるが、これは河川敷から一般道に入る下り坂と向かい風から開放されたことによる安堵感から気が抜けたのかもしれないが、実際には河川敷地で足が消耗していた(4)ためと思われる。
2時間経過以降はズルズルと心拍数水準は下がり続けるが、2時間20分ころ一旦心拍数は反転して上昇する。ここはichanさんに「頑張れば30分切れますよ」と声をかけられたのと、ichanさんに付いて行こうと頑張った形跡だ。
しかし、この数分間のがんばりの影響か、2時間25分から5分間は足が動かず心拍数も150を下回る時間帯となってしまった(5)。
そして、最後に心拍数が急激に上昇するが、これは既にご想像の通りOgamanさんに抜かれまいと気合いを入れて走っていた区間(6)だ。
今回のポイントとなる印象を受けたところに(1)~(6)の符号を付してみた。
(1)(2):については実はかなりやっかいな問題がある。
(1):のなぜ下げたのかについては、一つの大きな過ちと一つの不安があった。大きな過ちというのは、去年のデータが頭に入っていなかったということ。確かに今年はFr201をつけていなかったのでペース(時間)が分からなかった。しかし、去年は心拍数165前後で頑張っているのだ。もし、それを事前に知っていれば、(1)で落とすということはしなかったと思う(結果はともかく)。そして、一つの不安とは練習不足(練習計画が悪い)による不安。想定されていたペースでまとまった距離を走っていない。5km×2とか7kmとかしか走っていなかったのだ(マラソンを楽しむ会で実践できなかったのが悔やまれる。自分が悪いのだけれど:苦笑)。このままで大丈夫か?と思うのと、このままでもとりあえず20kmまでは大丈夫だろうと予測が立つのとでは違いは大きい。
(2):心拍数は155~160の間でのキープ走。これは普段よりちょっときつい程度なので、シッカリ走れたのだと思う。そして、去年との比較に於いても5~10%程度低位であるにも関わらず、そこそこのタイムで走れている。やっぱり僕は去年よりも速いと思う(まだ言うか!)。
(3)(4):使い切った足。ペースアップ、上り、向かい風という条件の中で、もっとも心拍数水準の高かった時間帯だった。(1)でも書いたが、今年はこの心拍数水準での練習が少ない。練習していた区間(5km)程度しかもたなかった(苦笑)。
(4)(5):距離にして22.5kmのスポンジポイント過ぎ、時間にして2時間ちょい手前あたりから心拍数はどんどん下がり始めている。これは今年に限ったことではなく、去年も一昨年も同じ心拍数推移だった。ここで、これほど落ちるのはそれまでのペースが自分の実力以上に速かったことが原因だろう。
(5):正直、この部分が一番納得いかない。なんぼなんでも150以下になるというのは...自覚はなかったがどこか諦めていたのか、集中力の欠如なのか、単なる練習不足なのか...
(6)いくらケツに火がついたからと言っても、ここでこれだけ頑張れるなら、もうちょっと手前で「あとちょっと頑張れなかったのか」と思わざるを得ない。ただ、普段の練習後にW.Sを4,5本入れておくとか、遊びでやっていた200mダッシュなんかのおかげかもしれないと思う。
体感的には気の緩みはあったかもしれないが、サボったわけでも諦めたワケでもなかったと思う。
やはり練習不足だろう。
練習時間そのものが少ないという意味ではなく、(1)~(4)で気がついた「高負荷の練習が不足」が主原因ではなかろうか?
もし、そうだとすると今年は去年との比較では低水準の心拍数であるにも関わらず、それなりのタイムで走れている。つまり、練習によってまだ記録が伸びるノビシロがある(高水準な心拍数での頑張り、いいかえればスピード持久力の練習効果を期待できる)ように思える。
平均心拍数について
上記の心拍数推移グラフを見ていて驚きの事実が発覚。下表は昨年の白糠ロードレースから今回の釧路湿原マラソンまでの出場大会で記録された平均心拍数。
大会名
| 平均心拍数
|
2008釧路湿原マラソン
| 157
|
2008マラソンを楽しむ会
| 143
|
2008洞爺湖マラソン
| 158
|
2008本別公園クロカン
| 157
|
2008白糠ロードレース
| 171
|
2007陸別木枯らしマラソン
| 157
|
2007シシャモ駅伝
| 170
|
2007別海町パイロットマラソン
| 157
|
2007釧路湿原マラソン
| 163
|
2007十勝健康マラソン
| 166
|
2007マラソンを楽しむ会
| 171
|
2007本別公園クロカン
| 165
|
2007白糠ロードレース
| 163
|
本当に練習が足りなかったのか?
下記グラフは各年の湿原マラソン直前3ヶ月間の練習時間を示しており、負荷水準(心拍数)の割合が分かる。
高負荷から順に赤、黄、緑、青、灰、紫だ。一本の棒グラフは1週間の延べ練習時間を示している。
(グラフはダブルクリックで拡大できる。グラフの下方で延べ練習時間、各負荷水準の練習時間が分かる)
| 2008年の練習内容
|
| 2007年の練習内容
|
| 2006年の練習内容
|
今年は、冬期間からLSDを始め、ゆっくり長く走ることに苦痛はなくなったが、短い距離でも高負荷な練習は苦痛に感じていた。昨年、一昨年は逆で、高負荷な練習こそが練習だ!みたいなところがあったが、ゆっくり走ること自体できなかったし、ましてや3時間を超えるような長時間走っているなんてことも苦手だったな。
洞爺湖マラソンの結果からも負荷の高い練習が不足しているのは分かっていた。マラソンの楽しむ会では高負荷で10kmが走れないことも分かっていた。
仕事の忙しさを理由にするが、どこか嫌な練習を避けていたと認めざるを得ない。同じ時間を使うなら必要なことをするべきだったと素直に反省せずにいられない。
ここで僕はカナダさんちのトイレの貼り紙を思いだすのだ。
やることはやる。名言だ。
やるときはやる。
やれるだけやる。
やれなくてもやる。
そこで僕はMMUp作戦を覚悟する。
あ、反省点としてあと二つ。
忘れ物
Fr201を忘れたのはどういうことなのか。
忘れものをしないように注意しないとな。
集合写真
今回の遠征では集合写真に僕の姿はない。
eRCとかちの方はtakutoさんから「下で撮りますよ」と声をかけていただいたのだが、トイレに行ったりしているうちに出遅れ(登場遅れ)たらしい。
というか、僕は団体行動が苦手なのかもしれない。いや、むしろ行動が唐突なのかもしれない(大笑)。
気を付けよう。
そして、最後に気になること
ピッチ
僕はピッチ走法に分類されるだろう。ランニングを始めたころは違っていたのだが、DOMEで練習しているときにペースのちょうど良い(頑張ればついていけそうな女性)ランナーの後ろを走って以来、より歩幅の狭いピッチになってしまった。
1.5mほど後方をついて走っていたのだが、こういう距離関係だと前のランナーのピッチ数と歩幅に限りなく近づくのはペースが同じなだけに必然だったのかもしれない。
最初は少しツマル感じがしていたのだが、なれると楽だったので今もその時と変わっていないような気がする。
で、なんでこんなことを思い出したかというと12.5kmのスポンジポイントの手前でichanさんが僕と併走していて、ピッチを合わせるべく試していた。「どうも合いませんね」と...
で、たまたま前を走るしなそばさんとピッチを比べて見たが僕の方が速かった。うむぅ...僕はピッチが速い方なんだと自覚するに至った次第。
僕のようなレベルのランナーの場合、ピッチと歩幅の関係を修正するとタイムは改善されやすいのでは?と思いつくが、特に根拠はない(笑)。
ま、こういうフォームに関することは「今すぐ」どうにかなるものでもなさそうだが、意識的に歩幅を少し広げるつもりを試してみるのも良いかもだな。
ふくらはぎの痛み
15km以降ふくらぎに今までにない張りを感じた。ここ最近、ふくらはぎにこれほどのまでの張りを感じたことがなかった。
レース後、ふくらはぎが張って痛みがでるのはどこか走り方が悪いよね?とカッチさんに聞くと「変だね」と言われる。ただ、どこが変なのかは教えてもらえなかった(笑)。
僕が想像するに膝より下を使いすぎる走りになっているのではないか?と思っている。無意識になにかが変わってしまったのではないだろうか...
手を抜いているワケではないが、レース後の疲労が少ない
レース直後はそれなりに疲れもあったがエソカイのあたりから特に日常と変わらない身体の状態だ。そして、昨日、今日(7/29)になっても中年以降特有の時間差筋肉痛はない。
洞爺湖の時は2日間くらいはそれなりに身体のあちこちに痛みはあったのだが、今回はない。
あれだ。気がついたことはまだあったやに思うのだが、忘れてしまった。思い出したら追記することにしよう。
カナダさんとのバトルの結果について
勝負は大差でぶっちぎられた。まぁ、これ以上の走りができたのに!という要因は全くなく、完敗だ。
しかし、洞爺湖マラソンでは30km地点で約9分の大差をつけられていたのだから差を詰めることができた。とポジティブに考えることにした(笑)
これで、今年に入って一勝一敗の五分の星勘定になった。残るカナダさんとのバトルは「道マラ」と「別海」の2戦を残すのだが、道マラは特殊な事情がある。道マラはバスに乗ったら負けという勝敗規定にして、別海で雌雄を決する提案をする。
カナダさんは別海でサブ3.5を狙う筈。僕もそれを狙うだけの練習を積まなければなるまい。
8 コメント:
いやいや、本当にありがとうございました。本当に楽しい遠征でした。同時に直ちに反省とは頭が下がります。僕はすでに日曜日のことで頭が一杯です(笑)楽しみだなあ。
To:はせがわさん
お疲れ様でした。
あれです。好きなんですね、こういうどうでも良い妄想をずらずら書くのが(笑)。
来年は、しっかり走り込んでカネボウをやっつけてください(笑)。
カナダさんの
やることはやる。
やるときはやる。
やれるだけやる。
やれなくてもやる。
は、けだし明言ですね。至言と言っても過言ではない。
感服つかまつりました。
To:sigzさん
いやー本当に良い言葉ですね。
特に最後の「やれなくてもやる」には魂を揺さぶられました。
相変わらず、論理的な分析ですね。
これだけ、考えていることを文章に表せるのは
すばらしいことだと思います。
私もそれなりに思うところはあるのですが
文章にすると
いろいろと考えながら走っていたら、ペースが上がっていた
みたいな感じで終わってしまいます (笑
MMUp 作戦について。
今度、森林公園で坂道ダッシュでもやりませんか?
1km 以上登りが続くので、ダッシュではキツいかも。
当然、その前に 20~30km の LSD 付きです。
実は、たしろさんの Garmin で距離を測ってもらおうと
企んでいたりいます (笑
ピッチと歩幅について。
私は、前のランナーの足元は見ないようにしています。
自分のリズムが狂ってしまうので。
余計なことを言うようですが
歩幅を広げると腰が落ちがちなので、気をつけてくださいねー。
To:しなそばさん
ご都合理論なので、あまり真に受けてはいけません(大笑)。
それでも、練習は嘘をつかないというのが心理でしょうから、どんな練習をしたのかを知る必要があるワケです。しかも、感覚的なことではなく、数字になっていたほうがわかりやすいです。そういった意味で僕の妄想の基本はpolarの心拍計のログにあります。これはスグレモノです。
物欲ランナーの必須アイテムです(大笑)。
坂道ダッシュ、いいですね。あとはいつやるかですね。8/3は更別だし、8/9,10は帰省第一弾。翌週は第二弾。8/23,24(道マラ直前)にやっていいものなのか...ま、道マラを気にしないとか、道マラの翌週とかなら全然OKです。
心拍計、センサーが邪魔っぽくてためらっています。
物欲的には、山登りにも使えそうな Garmin の方が…
ああっ、地雷を踏んでしまった (笑
合同坂道ダッシュ、来月はムリっぽいですね。
ひとり、こっそりと取り組んでみます。
効果の程は、道マラでの私の走りっぷりで判定してください。
でも、手っ取り早く知るには心拍計があると…
今月はけっこう残業しているので、懐具合も…
ああっ、地雷を踏んでしまった (大笑
To:しなそばさん
ああ、トランスミッターですね。確かにちょっと邪魔かもしれません。それにトランスミッターで胸がスレるんです。で、僕はつり紐を付けてずり落ちないようにしているのですが、それが微妙にブラ感覚。本能の奥底に潜む乙女心が芽生えそうなそんな怪しい感じがしないでもないです(大笑)。
坂道ダッシュ残念ですが9月になったら浦幌に遠征します。
Frも心拍計もお勧めです。個人輸入でもしなそばさんなら大丈夫でしょう。安く買えますし、Fr305 or Fr405 はお勧めです。ただ、ソフトウエアはタコだと思いますがSportTracksを使えば大丈夫ですよ。
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