-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2008-09-03

2008北海道マラソンの反省-試行にあたって考えた具体的なトレーニング方法-

北海道マラソン攻略法で検討した内容から完走する為に必要な能力を抜き出してみる。

  1. サブ4ランナーであること
  2. 28分/5kmで走れるランナーであること
  3. 31.6~33.7km区間で5:42/kmで走れるランナーであること
  4. 常識的な上り、下りのコースで上記ペースで走れるランナーであること
  5. 25~32℃の高気温でも上記の条件をクリアできるランナーであること
と結論付けた。

僕の能力が、上記条件を満たしているかについて自己評価してみる。
1について

とよころサーモンマラソン、○別海町パイロットマラソン、○洞爺湖マラソンの結果から僕はサブ4ランナーであり、条件は満たしている。ただし、余裕はほぼない。
2について
×
×とよころサーモンマラソン、×別海町パイロットマラソン、○洞爺湖マラソンの結果では28分/5kmを超過している区間がある。
3について

1kmLapの記録が必ずしも無いので30~35km区間であっても28:30/5kmで走れたかで判定。×とよころサーモンマラソン、×別海町パイロットマラソン、○洞爺湖マラソンの結果では、とよころでは30分を上回っているし、○評価の大会も余裕のある状態ではない。
4について

あまり傾斜のある大会で走ったことがないが、上り下りの連続だった洞爺湖マラソンから推察するに多分大丈夫(ちょっと過大評価しておく)
5について
×
練習で一度だけ30℃超の気温の中、30kmを走ったことがある。それは3年前のことだし、走ったあとはかなりのダメージがあったことは記憶している。最近はそんな狂気的な練習はしていないので分からないが、普通ダメだろう。
結果は上記の通り40点(2/5)。
偏差値がどれくらいなのか分からんが(笑)、入試ならE判定だろう。進路指導室に呼ばれて希望校の変更を強要されるような点数だ(大笑)。

1が○なのでやりようによっては完走の可能性はなくはない。要は「ペース配分」につきるのだが、
先行逃げ切り
前半貯金型である。前半暴走型になると「3」が厳しいばかりか、40km関門が非常にキツイものになる可能性がある。
自分にあてはめると「とよころ」はこのパターンだった。このパターンにならざるを得なかったのは距離対策が不十分であったことによる。いわゆる「壁」(30kmとも35kmとも言われている)との遭遇を練習の時から避けてたせいだろう。言葉では壁を知っていても実際に体験しているのとしていないのとでは大きな違いがある。また、実際に体験すると壁を通過するのに要する時間を見積もるので、その前に貯金しておこうと考える。この考えは正しい。しかし、貯金をしすぎると壁でそれを上回る消費を余儀なくさせられることが少なくない。貯金しても、後半に予測を上回る消費が常に訪れるという「マラソンデフレスパイラル」に陥る可能性もある。
好位差し
強気に行けば先行差し型と言える。近代競馬はもちろんエリートマラソン大会でも主流だ。展開に左右されない。しかし、好位を意識しすぎると「先行逃げ切り」「後半追い込み」に足元をすくわれる可能性もある。先行差し型は強気すぎると先行逃げ切り型と同様のリスクを負担する可能性がある。
ある程度キャリアを積んだランナーのほとんどがこのペース配分だと思う。そのためには、しっかりとLSD等で距離への順応性を高める必要がある。これは距離に対する不安を解消するだけではなく、壁を多く経験することにより壁にあたった時の状況判断、適応力(壁が来ても長くは続かない。頑張りどころと思えるので、絶望的にならない)を養成できる。こうした経験が結果として壁の負担を適正に見積もれることになり、マラソンバランスシート(貯金と支出のバランス)が保てるようになる。
自分の目指すペース配分、脚質は別海から「好位差し型」である。
後半追い込み
前半にシッカリと足をためておき、ここだ!というところでギアチェンジ。ハマれば胸をすくような展開だが、外れるとただ足を残したままレースを終えることになる。一発ギャンブル型。
他のランナーがしんどいところでペースを上げるので、後半は抜きっぱなしの展開になる。よく抜かれる立場である僕の経験では、記録よりも抜く快感に魅せられたベテランランナーに非常に多いように思う。僕としては、自分よりも相当年上のランナーに抜かれることになり、かなり嫌なタイプのランナーだ。(ちなみにカッチさんも爺だが、カッチさんは記録指向の清く正しく美しいランナーなので、この分類には入らない。カッチさんは先行差し型)

僕は「別海」から好位差し型を指向している。別海では距離に対する適応力が十分ではなかった為、35km過ぎからペースはガクっと落ちている(とよころほどではないけど)。前半が少し速かったのかもしれないが、そもそも距離に対する適応力が不足しているという反省から今シーズン前の冬期間にLSD を中心に練習してきた。
こうしたシーズン前のLSD中心の練習の成果があってか今年の洞爺湖マラソンでは天候にも恵まれちょいとビックリするような「まぁまぁのイーブンペース」で走ることができた。ただし、LSD中心の練 習に偏ったため絶対的なスピードはなくなった(自分比)と思う。

こうした背景があって、別海までに少しスピードを強化、スピード持久力をつけて勝負しようとしていたのが当初の計画であった。

ところが、道マラの申し込みの終わったのが6月前半、道マラは8月末。
7月末には「釧路湿原マラソン」がある。道マラ狙いなら6月、7月中旬まではスピード練習をし、スピード持久力をつけ、道マラで勝負だろう。でも、僕の勝負は10月頭の別海町パイロットマラソンであることを変えるつもりはなかった。なぜなら、とんでもない気象条件になる可能性が大きい道マラで勝負することは、ヘタこくと別海で不発に終わる可能性がある。それに今シーズンは漠然としたものではあるが別海を最大の目標にした年間の練習スケジュールを仕事との調整を図りつつ思い描いていたものが頭にある。ここで道マラの為のスピード練習をしては仕事のスケジュールとの調和が取れないのだ。

一応、道マラの前に思い描いて漠然とした練習スケジュールとレース日程を書いておく。

当初の予定
道マラ決定後にやったこと等
5月
これまでの練習で持久力はついていると見込み、6月のマラソンを楽しむ会に向けてハーフで5分/kmを確実に切るようにスピード系の練習をするつもりだった。
洞爺湖マラソンへの参加を3/2の白糠での合同練習会でなんとなく出場を決めてしまい。白糠ロードレース以降、再度フルの為の持久系、ちょっとスピード系の練習を優先させた。
e3グリップを購入、バランス効率の良いフォームを目指す。
6月
6月中旬に「マラソンを楽しむ会」(ハーフ)がある。5月の練習の成果を試すつもりだった。また、7月の釧路湿原マラソンでハーフのスピード(5分/km切る)を持続できるようにスピード持続系の練習をするつもりだった。なんというか、LSDというか仲間としゃべりながらのLSDやゆっくり走がとても楽しい。6月初旬に道マラ出場を決めてしまう。
釧路と道マラとに役立つであろう持久系の練習へと逆戻り。
7月
月末に釧路湿原マラソンがある。現場を伴う仕事が増えることが予想されていた。平日はランde現場等持久系の行い。土日でポイント的にスピード系の練習をしながら30kmを5分/kmで走りきるスピード持久力をつけようと思っていた。

考えてたよりも練習時間がとれなかった。通勤ウォーク・自転車を練習だと思って実施、なんとなく土日は平日の実走不足を解消するためにロング走(LSD)が中心になった。
当初計画していたスピード練習ができなくて5分/kmペースもカナダさんとの勝負にも惨敗しておく。
たまたまWebショップのポイントが期限切れになるという案内をもらいノルディックポールの購入を決意。
8月
7月の湿原マラソンが終わると10月の別海まではレースの予定はない。お盆前は仕事が集中するし、お盆の帰省(子供がこちらに帰省、自分が墓参りに札幌、旭川に帰省)シーズン。練習時間は少なくなることが予測されたので、一息いれるのに好都合。
別海の為にLSDで持久系の練習だなと思っていた。
左の通り今月は忙しい。7月の結果から、道マラではスピードをつけて制限時間を狙うよりも、持久力で勝負するしかないと思いいたる。
ポールウォークde通勤、ウォークde現場(耐暑訓練になる)などを積極的にこなした。
8月初旬にeRCとかちの練習会で42kmの更別LSDという練習に参加した。実際には47kmもある(騙された気分はぬぐえないが、結局のところこれが効いたと思う)。また、道中kenchanさんにカロリーメイトダイエットを教えてもらい、実践すべく決心、翌日から開始。成果を上げておく。
お盆の帰省で体重増が予測された。体重増はランニングにはマイナス要因。事前に体重を減らすことができた。盆休みが終わって、「カロリーメイトダイエット」を再開。
お盆休みで仕事のスケジュールがタイトになる。昼休みには積極的にポールウォークする。
道マラ直前の1週間で心拍数を180程度まで上げるインターバルやB.Upをする。スピードを期待してのことではなく、低心拍数での練習が多かったのと、直前期で練習量が減っていたので心臓にちょっと気合いを入れておくのが目的。
上記表の右側には結局のところ僕がした練習の概略も書いたワケだが、そういう練習をしたのは今自分の持っている持久力をより確実なものにし、好位差し型のペース配分でサブ4を達成することを目標にしたからだ。
つまり、弱点である2~4を「ペース配分」と「持久力を確かにする」ことに解決策を求めたのだ。これが先に書いた「1が○なのでやりようによっては完走の可能性はなくはない。」と書いた「やりよう」だ。

そして、どうしてもトレーニングに際して付け加えておきたいことがある。それは「効率」ということだ(ここでいう効率は少ない練習時間で大きな効果を求める効率に限定していない。特段の意識をしなくてもなんらかの効果が期待できそうなことをも含む効率である)。
いつだったか、トヨタの「改善」についてTVのドキュメンタリー番組で放映されていたので知っている読者も多いと思うが、トヨタの工場では日々小さな改善が行われており、それらの積み重ねで生産効率がアップしたという内容だった。
説明していた人の話では改善というのは衝撃的な改革や革命ではない。ほんの小さなことです。工場ラインと作業員との立ち位置を数センチ、工具の置き場所を数センチ、工場内にある段差を数センチすくなくするような努力の積み重ねだという話だった。

また、五輪前に話題となったレーザーレーサーも開発者側は1/1000の効率アップの成果だと言っているのを見聞きした読者も多いと思う。
僕の敬愛するシューズマスターのブログの記事には「ロスをなくす」ということが満載だ。最初から最後まで読んでみるのもおもしろい。
ランニングで効率というと「フォーム改造」を想起させられるがそんな時間はない。筋トレも効率アップの手段としては良いと思うが、なにせ「走らないことへの恐怖」に僕は勝てそうもない。
僕に必要なのは「...しながら効率アップ」なのだ。僕が思い当たって実行した(途中でやめたのもあるけど)ことを下表にまとめてみた。
Asiccs GT-21xxシリーズ
自分の走力をロスなく(ロスを出来るだけ少なく)地面に伝える。故障防止。
履くだけ。
ヒールロック
同上。
履き方を覚えれば良い。
カーボンシートチューン
同上の他、シューズの安定性、直進性の向上。
靴に入れて走れば良い。
e3グリップ
ランニングフォームの改善。上半身と下半身の連動性の向上。
実際にランの時には握って走る。体感できる効果は良くわからない。
握って走れば良い。
ノルディックポール
同上の他、股関節等足脚の関節可動域の拡大。歩くことによる心肺機能の向上と歩く筋トレ等「複数のながらトレ」が可能。
握って歩けば良い。でも、本当はちゃんと最初にインストラクターに教えてもらった方が良いと思う。
ストレッチボード
足首の可動域の拡大。足首に限った話ではないが、関節の硬いランナーは初動の為にパワーを多く使うという話をichanさんから聞いた。
歯磨きしながらボードの上に載っているだけ。
ながらトレ
筋トレ。
TV観ながら(CM中)腹筋、背筋、腕立て、各種ストレッチ等
通勤ラン、ウォーク、バイク
練習時間の効率化
やるだけ
ダイエット
ボディーの軽量化は運動性能(最大酸素摂取量)を高める。直接のきっけは8/3の更別LSDでのichanさんの「うーん、思ったより重いですね。少し軽くしましょうか」「骨太なら炭酸飲んで骨密度を低くする方法もあります」とまんざら冗談でもないないようなマヂ顔で言われたことだ。体重が適正体重(一般人)より多いのは自覚していた。軽いのにこしたことはないことも知っていた。好都合にカロリーメイトダイエットの先輩でもあるkenchanさんがいたので、走りながら、走った後の温泉の後に色々聞いてみて本気でやって見ようかと思った。この時、68~69kgの間だったが、道マラ直前には66kg台になった。
実は66kgに抑えた結果だ。7月末の釧路湿原マラソンの時にはせがわさんに「軽いのは有利ではあるが直前期に落とし過ぎるのは運動生理学上、どうなんでしょうか?」という疑問を聞いていたからである。今ある持久力が喪失するような減量では全く意味をなさい。良く分からないが、5%を超えない減量の範囲で抑えた結果だ。
昼はカロリーメイトと飲料水。できれば腹のふくれる炭酸飲料が良いかも!
階段1段飛ばし上り
股関節、足首関節の可動域拡大。
会社、自宅の階段を上る時に一段飛ばしで上る。
なんかいろいろやった割に覚えていないな(大笑)。
一応、10の例示をしたが、もしこれらの各項目がレーザーレーサー並に1/1000の効率アップをしてくれたらフルマラソンでどれだけ違うかということを計算し、自覚し、なんらかの効率アップにつながるということを信じて続ける努力をした。
フルマラソンは42.195km=42,195mです。42,195m×10/1000≒420m
僕は500mを120secで走ることができますので、約1分40秒速く走れる計算になります。

問題は、効果の発現が目に見えないことと、そもそも効果の発現に時間がかかることだ。
よく「諦めるな」という言葉を聞く、そしていろいろなランナーの完走記を読んでいても「諦めずに頑張った」とも見る。その通りだと思う。でも、ブログに書かれている「諦めるな」「折れない気持ち」のほとんどはレースのことばかり。
レース前の「練習を諦めずに頑張ってよかった」「折れない気持ちで練習を続けて良かった」と書いてあるのを見たことがない。マラソンの練習はその成果が現れるまで時間がかかる。練習の成果が現 れる前に諦めてしまっているランナーは少なくないだろう。
今だから書けるが、諦めずに練習を続けて良かったと思う。

諦めない、折れない気持ちも練習で培われるものだと思う。

3日ボウズを恐れてはいけない。3日ボウズ上等!何度でも3日ボウズを続ければ立派に継続できる。
次に5の耐暑訓練だ。
僕は当初、耐暑訓練について「真っ昼間に走る」を繰り返すしかないだろうなぁ...と思っていたが、はせがわさんから「明日からまた」というタイトルのブログの記事でヒントをいただいた。はせがわさんの言わんとしているところは「そもそも42.195kmをしっかり走れなければ暑さ対策なんてなんの意味もないよ」ということだと理解した。そういう意味では、1~4対策として上げた「持久力を確実なものにする」という方向性は間違っていなかったと思う。

しかし、それでも暑さは心配だ。そんな時に見たのがOgamanさんのブログの記事。
要は
「暑い中を走ることが耐暑訓練ではないよ。暑い日中に庭整備等で暑い気温に体をさらすことだけでも十分な耐暑トレーニングになりますよ。」
というようなことが書かれていた。

これは好都合だ。ちょうど現場での調査を伴う仕事のスケジュールが目白押しだ。灼熱の中、歩きながら現場をこなすことになれば、耐暑訓練になるばかりか持久力向上のトレーニングにもなるではないか!
また、そういうことなら日常生活においても極力エアコンの利用を避けるのもひとつの手段だろうと、カーエアコンは使わずに窓全開、オフィス内のエアコンも暑くなってから夕方15:00くらいまでの間だけにエアコンの使用を限定した。


一応、自分で考えた練習はした。練習が十分であったのかどうかは分からない。それでも僕は道マラを完走しなければならない。

2 コメント:

カナダ さんのコメント...

コメントを書くのも憚るほど精度の高い論文に驚いています。次回以降が楽しみです。これは本になるんじゃないですか~
売れますよ~!! 旦那~

たしろ さんのコメント...

To:カナダさん
あれです。
僕があまり道マラに出たがらないので、道マラにイツモツあるのではと思ってらっしゃるランナーが多いみたいなので、僕が真剣に道マラ完走を目指していたことをちゃんと書きたかったのですがうまく書けません(笑)。