この本は喜久屋で立ち読みしていたときに偶然発見した本。そして、はせがわさんと偶然鉢合わせた(笑)。
タイトルから連想したのは「そんなもの速いから速いべや」と軽口を叩いていたのだが、図書館に本を借りに行った折りにこの本を見つけて借りてきた。
当初の連想はまんざら冗談ではなかったのだが、これを読んで「ケニアはなぜ速いのか」という問題は結構学術的に研究のまとになっていることが分かった。
遺伝説、膝下比重の軽量説、トレーニング手法説など諸説あるが、どれも外側から見る僕には興味深く読めた。
古く(今でもそうなのかも知れないが)は遺伝説が有力であったが特に決定打はなく、素人の僕が読んでいても遺伝説ではなさそうだなと思える記載が満載。
とりわけ、最大酸素摂取量及び速筋繊維・遅筋繊維の構成割合などはケニア選手とデンマークの選手に特異な差はなく、ほぼ同一であることが記されている。
僕がおもしろいなぁと思ったのは「膝下比重の軽量説」だ。
あの細くて長い下肢は欧米のランナーとの比較で約400g軽いという記述には「これだ!」と思ったくらいだ。
しかし、近時多くの研究者達は上記のような外観上の特性を見いだす事よりも、もっと内面的で精神的な部分の特性が重要だと主張する。
しかし、これら議論には練習無しに速くなれないという事実が抜けているということをランナーなら誰でも気がつく。
ケニアに於ける練習方法は「キャンプ」と呼ばれる変わった練習の環境がある。端的に言えば「速い奴と競いながら速くなるという環境」だ。
日本に於ける実業団の練習環境とどう違うのか....
全編にわたり興味深く一気に読めた。
「★★★★☆」
-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-
2009-03-10
ケニア!彼らはなぜ速いのか-忠鉢信一著-
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