-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2007-05-21

フルマラソンって本当に難しいと思う

昨日「洞爺湖マラソン」があった。北海道のフルマラソンシーズンが開幕したって感じだ。
昨日のレースに出場し、既に概要についてブログに書かれているマラ中仲間もいる。
目標が達成できなかったランナー、フルマラソンの壁に撃沈を余儀なくされたランナー様々だ。

ブログを拝見して思うのは「フルマラソンは難しいよなぁ...」ということを痛切に感じる。

この難しさが「どこから来るのか」(なぜ難しいと感じるのか)について考えてみた。
一言で言うと「フルマラソンの距離を練習する頻度が少ない(皆無)」ということに尽きるのではないだろうか?

もちろん、初フルマラソンでサブ3を達成するというランナーもいるけど、それは多分非常に稀なランナーだと思う。
とにかく「どのくらいのペース配分で走れば良いのか」が分からない。
いくら30kmくらいまでハーフ並みのペースで走れてもダメなことは自分の経験に照らしても分かる。
一般的には前半をセーブして、後半に力をためておく(30kmをもって中間点とするべしのような説が通説か?)。というが通説だが、では、どのくらいのペースまで落とせばよいのか?これがまるで分からない。

30kmや3時間走は僕のようななんちゃってランナーでもするし、これくらいならハーフの延長というか、ハーフの勢いで行けちゃう(経験則)。
ところが、フルマラソンの難しさは30km以降にあって、僕の場合は35kmくらいに「なにかが起きる」。
脚の痙攣だったり、いわゆる35kmの壁(デッドポイントなんていわれ方もするらしい)と言われる「体に力が入らず、ペースがどんどん落ちていく現象」がある。

こういう現象に対する「対応」というか「対策」(防衛策を含む)には「経験」が必要なのではないだろうか?と思う。(もちろん、経験を補うという意味で「本や雑誌」、「経験者の話」等が有用なのは言うまでもない。)

ところが経験といっても練習でフルマラソンの距離を走るには
  • ほっちゃれになる
  • 5時間はつぶれる
  • 帰宅してからも使い物にならない
  • 翌日の激しい疲労と筋肉痛
  • 怪我、故障のリスク
等、「相当の覚悟が必要」だからだ。(さらに給水、給食の準備なんかも必要だよね。)
なので、多くのランナーは「狙うレース、狙わないレース」を使い分けながら経験を積んでいるのが実態なのではないだろうか?
狙うレース、狙わないレースの定義については諸説あるが、「結果の出たレース」は狙ったレース。という後出しジャンケン説が個人的には気に入っている(笑)。
なんかの雑誌で練習で32kmも走れば十分。どのみちフルマラソンは35km以降になにが起きるか分からないので、それ以上の距離を走ることはリスクが倍増することはあってもメリットがない。というのを読んだ記憶がある。

確かに科学的にはそうなんだろうけど、やはりフルマラソンの距離(もしくは35km以上42kmまでの距離)を何度か体験しておく方が良いように思える。(狙わないレースを活用して)
その際にしっかりと把握しなければならないこととしては、一応通説の通り30kmまでを前半とした場合、
  • 前半をどのくらいのペースで走ったか
  • 30km地点で、どのくらいの余力があったか
  • 30~35kmで自分の身になにが起きたか
が重要なのではないだろうか?

僕はサブ4を達成する為に4年かかった。(年に1度のフルへの挑戦)
練習期間の1年、フル初挑戦の2年目は幸いなことにサブ4のペースメーカーがいらっしゃって楽について行くことができたが、小問題での遅れを挽回しようと(挽回できるだろうという余力があった)ペースを上げたことと炎天下による影響で35kmで脚部の痙攣で4時間40分。2度目の挑戦の3年目は空腹感と脚部痙攣により、4時間15分。
満を持して望んだ去年は20km以降のエイドにバナナ配置、ランパンのポケットには岩塩(小さな容器入り)を忍ばせて臨んだ。(詳細は「とよころマラソン-完走記-」)
  1. 道中はペースを守る(心拍数150~155程度)ことに徹し、他のランナーに並ばれたら道を譲った。
  2. 給水の取りすぎ防止(小問題の回避目的)に5x kmでのみ給水。5x + 2.5km地点では頭、首、脚を冷却する目的(痙攣防止)で給水を使った。
  3. 2度目の時に「しおあめ」を走っているときに飲み込み込んでしまい。死ぬかと思ったのでポケットに入れてある「岩塩」を20km以降5km刻みになめるようにした(痙攣防止)。
  4. 20km以降のエイドではバナナを受け取り食べたくなくても食べた。(前回まではパワージェル?などの気の利いたものを用意していたが、空腹感は満たされなかったのでバナナにした。空腹感充足、痙攣防止)
  5. 30kmが過ぎで、自分で想像していたよりも余力が残っていると感じた。今年こそは!と思った。
  6. ところが35km過ぎから世界は一変。まるで体が動かない。5'20/kmペースは6'30/kmまで落ちた。
  7. 落ちたペースは40km以降は少し回復し、目標としていた「歩かず」「4時間で完走」は達成できた。
過去の経験から得た情報で練習もした。1~5は過去2回の経験から対策が取れた証拠だと思っている。それでも、6は容赦してくれなかった。「やってみなければ分からない35kmの壁」というやつだろう。
マラソンに「もし、たら、れば」はないが、「もし、前半のペースをもっと落としていたら?」6は無かっただろうか?

そう考えるとやっぱり「フルマラソンは難しい」としか言いようがない。

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