お約束なのでこういうタイトルになったけど
- 「効果的な練習とは?」
- 「後半頑張るということはどういうことを言うのか?」
以下「かくてさん」からコメント欄に貼り付けてもらったデータを眺めて妄想してみた。(2007/10/19にかくてさんよりいただいたコメントで僕が把握した走破距離に誤りがあったので、グラフを差し替えました。グラフの差し替えに伴い打ち消し線を使用しながら本文も修正しました。2007/10/20)
まず前段として左棒グラフは、かくてさんのJogNoteの記録から去年一年間と今年の現在までのトレーニング走行距離を重ねてみた。
明らかに今年の方がたくさん走っているのが分かる。
今年は水色、去年は淡い青で表示している。一見して去年の走行距離が多いのが分かる。
以下は頂戴したデータから「ペース」「心拍数」「歩幅」のグラフを作ってみた。いずれも別海町パイロットマラソンのもので「青」が去年、「ピンク」が今年のもの。
1.ペースの推移
左はベーシックな5kmごとのLAPタイムからペース(min/km)を計算してグラフ化した。
一般的に「練習はうそをつかない」といわれている
それにしても、去年のペースの振れ幅が小さくて見事なものだな。単に「量」の違いがこれほどの違いになるのだろうか...
2.心拍数の推移
次は同じレースにおける心拍数(5kmごとの平均心拍数)の推移。
去年はグラフ上から分かる最大値と比較して去年のレースの前半部の心拍数は低位で安定しており、しかも余裕すらあることが分かる。
心拍数を上げる=エンジンの回転数を上げるが成り立つなら、折り返してから三段ロケットのようにエンジン出力を上げている。
一方、今年は前半から去年よりは高水準で入り、折り返しから一度ギアチェンジしているが、去年のように2段目、3段目の切り替えができなかった感じ。
そもそも、どういうレースプランだったのか分からないので想像を書くが、去年の心拍数推移をそのまま上方へシフト(高水準)するプランだったのではないかと思う。
それにしても、去年は30kmからでも心拍数を上げられているのはビックリだ。ズルズルと心拍数の低下を抑えきれない僕とはエライ違いだな。
3.歩幅の推移
最後は記録されたピッチ数(1分間当たり)から計算して得た歩幅(1歩あたりの距離)の推移。
去年より一歩あたりの距離が短いのが分かる。
去年と今年では相反する部分も窺える。40km以降双方とも心拍数を上げているが、去年はそれに呼応するように歩幅が延びてペースも上がっているが、今年は歩幅は狭まりペースもダウンしている。
歩幅の変化の大小は「フォームの乱れ」の現れということになるのかしら?
ピッチ数は下表の通りで、去年も今年も大差はないと思う。
ピッチ数/min | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 42.2 |
28th | 184 | 187 | 188 | 188 | 189 | 187 | 188 | 187 | 186 |
29th | 183 | 184 | 186 | 185 | 189 | 187 | 187 | 184 | 182 |
去年と今年の歩幅の違いは最大10cm程度のものなのだがタイムへの影響は大きいんだなぁと思う。
一通り見たけど去年はペース、歩幅とも非常に安定しているし、心拍数は自分の思うようにコントロールできているように見える。「凄い」なと思う。
道マラが9月に開催されたので、その疲れが残っていたんだろうか?
その辺が「心拍数」や「歩幅」に現れているような気がする。
そういえば知っている限りでは「道マラ組」の別海町パイロットマラソンでの結果がよろしくなかったような気がする。
4.去年と今年の相違
コメント欄にご本人から去年の練習内容や出場したレースについて情報の提供があったので、詳細はコメント欄を参照していただきたい。
大きく異なっているのは、冒頭の走行距離グラフでも分かる5~9月までの走行距離だが、内容的には20km超の練習回数と別海に至るまでのレース回数(特にフルマラソン)だと思う。
フルマラソンでのレース結果は「段々良くなる法華の太鼓」状態。
別海以外のレースの内容については分からないけれど、別海での余裕が窺える心拍数と安定したペース、歩幅の安定性は練習量に裏づけされた肉体がレースでの経験値を基に自分の最適なペース配分を習熟していったのではないだろうかと思う。
今年の別海に対するご本人のコメントは「大失敗の道マラから立ち直れた...」と書かれてる。僕が想像した「道マラの疲れの影響」は間違いだと思う。
むしろ、「もし、とよころサーモンマラソンがあったら」別海に向けて丁度良いシミュレーションの機会となり、別海では去年に迫る快走をされたに違いない。
5.フルマラソンで目標を達成する練習方法
ここは他人のデータからあれこれ妄想するだけが目的ではない(笑)。
他人のやっていたことと結果の相関関係を推察し、自分にもできるエッセンスを抽出することが目的。そういう視点でこの記事を振り返ってみると
- 距離をこなせば良いというものではないけれど、それなりに消化した距離は嘘をつかない。
- 効率の良い走り(フォーム)にはある程度の距離は必要だろう。特に僕のようにキャリアのない自己流ランナーは距離を踏んで本能的に効率化が図られるには莫大な時間がかかるだろうなぁ。(ランニング講習会のようなものがあれば出てみたいな)
- 後半の頑張りは長距離(20km超)練習で養われる。
- かくてさんに色々教えてもらった「乳酸貯めて走る」方法もあるが、30~35km走はやっぱり必要だろうと自分の少ない経験でも思う。
- ペース配分の把握は練習では掴みづらいもの、実戦での経験は有用。
- これは練習ではなかなか難しい。やはり少しは緊張状態にあるレースを利用するというのがいいのだろうけど、地元のマラソン大会が段々となくなってきたので遠征が増えてしまうなぁ(汗)
- 体重は重いより軽い方が良い。
- これは僕にとっては永遠の課題でもある。日々節制しないと!
もう少し、具体的なことが思いつくかと思ったが「マラソンに近道なし」だな(苦笑)。
6.別海町パイロットマラソンの攻略法
来年は「別海町パイロットマラソン」を目標に頑張ることにしよう。
で、別海町パイロットマラソンのコースから、その攻略法をメモしておく。
前半の上りは確かに影響がある。しかし、そこで時間レベルでのペース維持はせず、心拍数レベルでペースを維持。
折り返しから始まる下りで徐々にペースアップ(心拍数レベル)。
時間的には結果としてイーブンペースになるイメージ。
ということになるのだろうか?
要はこういうことができるように日々練習しなさいということだな。
というか、歩幅というのはフォームを反映する指標となるような気がする。
ピッチ数を計測できる機械が欲しいなぁ(笑)
4 コメント:
エンジン噴かしても前に進まないとしたら、重量はどうだったのだろうか?
To:北の大地さん
ああ、重量のことを忘れていました。
詳しいことはご本人でないと分かりませんが、今シーズンは少々重め気味でだったようなことがJogNoteに書いてありましたよね。
+3kgで+27秒/5kmという研究結果もあるようです。
今度、聞いてみよう。
たしろさんへ かくてです。
鋭い分析、持ち上げすぎのコメントありがとうございます。
昨年の別海はこれまで味わったことのない充実したレースでした。むろん自己ベストです。昨年と今年と何か変わったのかと、振り返ってみました。走行距離やなにやらあるかと思い、距離とレースを見てみました。
月/総距離(実練習km)/レース出場&記録
2006年
1月/10
2月/0
3月/41
4月/114
5月/252(210)/14日・楽しむ会(フル①)3:44:57
6月/287(145)/4日・千歳(フル②)3:28:40/25日・サロマ(100K)9:46:12
7月/241(201)/16日・狩勝(10K)44:30/30日・釧路湿原(30K)2:11:44
8月/257(215)/27日・北海道M(フル③)3:19:18
9月/261(219)/17日・とよころ(フル④)3:13:36
10月 1日・別海町パイロット(フル⑤)3:03:56 体重 68.8㎏
計 1463(1155)※20㎞超練習19回
2007年
1月47
2月0
3月/52(41)/18日・白糠ロード(10K)44:18
4月/100(68)/29日・4時間耐久(32K)
5月/190
6月/220(120)/ 24日・サロマ(100K)10:36:53
7月/210(160) /15日・狩勝(10K)39:20/22日・夕張健康(10K)44:56/
29日・釧路湿原(30K)2:13:46
8月/170(148)/19日・ゆうばり(ハーフ)1:35:31
9月/235(192)/9日・北海道M(フル①)3:27:36
10月 34(10/7まで) 7日・別海町パイロット(フル②)3:09:26 体重 70.8㎏
計 1258(1000)※20㎞超練習11回
明らかに昨年の方が、練習距離、フル出場回数、体重、20K超の練習回数などで上回っているようです。そのへんが、練習方法の決め手になるのかも知れません。今年はフルのレース出場が2回でした。
それでも、今年の北海道マラソンのような大失敗レースから、よく立ち直れたものだと安心してます。
それではまた。
To:かくてさん
すみませんでした。走行距離の把握が間違っていました。早速、訂正させていただきました。
データの補足をいただきありがとうございます。
本文の方も若干書き直しをしました。
それにしても、去年のレース回数はすごく多かったんですね。
レースの経験値というのも重要な要素なんでしょうね。
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