-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2007-09-18

北海道マラソン攻略法-私的考察-

いろいろなランナー達のブログを拝見した。

いつかは出るかもしれない北海道マラソンを「完走」するための私的対策を妄想してみた。

妄想はしてみたが、まだ道マラに出る気が沸いてこないのは不思議だ。完全に怖気づいたかな?(笑)
冗談はともかく、確かに北海道マラソンは「憧れ」ではあるし、完走されたランナーには敬意を持つ。けど、今のところ僕の目標レースではないことだけは事実みたい。
なんていうか、僕はレースを楽しむという余裕がないんだと思う。完走賞の「メダル」が欲しいわけでもない。
ま、そのうち「道マラ」に出ないやつは道産子ランナーじゃないとか言い始めるかもしれないけど(笑)。ここしばらくは、出たくなるまで待つしかあるまい。
一般に北海道マラソンの難しさは真夏のレースという「気象条件」にあると言われている。
しかし、僕のようにサブ4ぎりぎりのランナーにとってはそもそも走力的な困難さというのがあると思う。単純化の為、「暑さ」を除いた私的に問題点を列挙すると
  • スタートロスの問題
  • 概ね5kmごとの関門
    • 今年の場合は次表の通りだった。
    • 5km10km
      15km
      20km
      25km
      30km
      31.6km
      33.7km
      35km
      40km
      00:32
      01:00
      01:28
      01:56
      02:24
      02:52
      03:00
      03:12
      03:20
      03:48
  • コース(前半の16kmは緩やかな下り)
    • 余り多くのランナーは語っていないが、コースにも罠があると僕は思っている。
関門設定自体サブ4ぎりぎりランナーにはつらいレースだと思う。

スタートロスについて
なんせ出たことがない大会なので、実際にどんな感じだったかのは分からないが以前yu1さんに聞いた内容や今年道マラに出場したランナーのブログの内容を見ると「号砲」からスタートライン通過までの時間は確かに存在するが渋滞なく流れるようで特に問題とならない感じがした。

関門について
スタートのロスを考慮した5km関門設定は4分+28分=32分であるが、以降の関門は28分/5km(5:36/km)ペース。簡単に言えば5:36/kmペースで北海道マラソンのコースを走れる能力が最低限必要。
僕のベストタイム 3:54:00(5:31/km)なので、なんとか大丈夫そうな範囲となる。

コースの高低について
雑誌等で前半の下りで足が消耗するという記事を見た記憶があるが、多くのランナーのブログには前半の下りによる消耗については一切書かれていない。

今年のコースの高低は概ね下図の通り(国土地理の1/25000の地図画像と50mメッシュデータ図を使い、カシミール上にコースをトレースして高低差を描画したもの。一応、27km地点までの図)

0~4km4~6
6~16
16~30
30~39
39~GOAL
30m上る
10m下って、
10m上る
90m下る
わずかな下り
わずかに上り 若干の上り
ザックリと上記表のような感じだと思う。

僕が分からないのは最初の4kmで30m上り(一旦下るので実質40m上る)、次の2kmで下り上りがあって、次の10kmを90m下った場合のダメージなのだ。
いずれも急激な上り下りではないから気にならないといわれるかも知れないが、そこがコースの罠で後半にゆるやかではあるが上りが控えており影響がないとは言えまい。(まぁ僕のようなランナーは30kmは上っていようが下っていようがあまり関係ないかもしれないが:笑)

フルマラソンを4時間、ハーフを1時間50分(男子の場合)で走れるランナーなのでスタート後の元気な時(距離的、時間的)なので、ダメージを自覚できずにいるだけなんだろうと推測しているのだが、一度この辺を膝突き合わせて小一時間聞いてみたいものだ。

で、本当に影響がないのかどうか、ブログに記載されていたLAPタイムを拾い出して見てみた。(個人名あるいは個人を特定するニックネームは割愛する)
(ブログに掲載されているLAPはだいたい5kmごとのものなので、話は5kmごとになるのだが...)

ランナー各自の当日の体調や環境変化に伴う練習不足、さらに当日の気温の問題もあって、たった一例(今年のタイム)をもって結論付けるのは拙速ではあるが、ここはサボって今年だけのデータで観察検討する。

全体の傾向としては、
  1. LAPタイムは逓増しつつゴールに向かう。
  2. 概ねスタートから5kmの区間より5~10km区間のLAPが速いが、最初の下りの攻略法に二つのパターンが見られる
    1. ペース維持型
      1. 後半(20km以降)に前LAPに遅れる度合いはイケイケ型よりも小さい。特に35km以降のペースダウンはイケイケ型よりも小さい。
    1. イケイケ型
      1. 最も気持ちよく走れそうな10~15kmの下り区間であっても早々に前LAPを上回ってしまっていたり、30~35kmで大きく遅れ始め、35kmの壁越えがかなりキツそうだった。
  3. 15~20kmの区間で10秒/km程度遅くなっている。
「3」については、僕の予測と違った特筆される点なので、少々思考を巡らせる。
確かにこの区間はちょっとキツクなるころあいではあるが、サンプルとさせていただいたランナーのハーフや30kmの実績をみてもこの区間でペースダウンは予測外だった。
ましてやフルマラソンの完走を目指して練習をして、フルマラソン用のペースで走っているんだし、コース自体も若干の下り(16km過ぎにちょっとした上りはあるが、距離的にも短く高低差も大きなものではない。)なのだ。
この区間では一体なにが起きているのだろうか?
  • 心理的状態
    • 15kmの関門を通過して一息ついた。
  • ペース配分の調整
    • 15kmまでの下りでやや速くなったペースを意図的にダウンさせている。
  • 下りによる消耗
    • 15kmまでの下り(特に5~10km)で足を既に消耗してしまった。
  • 気象条件
    • 12:10スタート。約1時間20後くらい、時刻にして13:30~14:00ころ。気温がキツク感じる時間帯と重なる。
などが推察される。

ランナーブログを拝見しても、後半がキツクなっているのは「暑さ」ばかりの記述で、前半コースの下りが足に与える影響については全くなにも書かれていない。
しかし、上記に記した通り「ペース維持型」が30km以降のLAPの落ち込みが少ない。
一般に「30あるいは35km以降からマラソンが始まる」といわれており、その攻略法としては35kmまでは余計な消耗をできるだけしないことがあげられる。という原則から前半の下りについて「ペース維持型」が有利という当然の結論に達する。

ここまでながながと検討してきた「下りが足に与える影響」とは下り坂での着地衝撃による消耗よりも、ペースの問題であったことが分かった。(ただし、下り着地衝撃による消耗がないということではない。と思う)

そこで、ペース維持が困難な状況が作りだされる状況について考えてみると
  • スタートロスによる焦り
  • 5km、10km関門への焦り
のある心理状態にあって
  • 5kmまでが適度なウォームアップとなり
  • 肉体的にも元気な頃合いに
  • 楽にペースを上げられる下り坂がある
ということが、ランナーの「想定外のオーバーペースが誘発される」というストーリーが描ける。

オーソドックスなマラソン攻略の原則に従い、私的北海道マラソンの攻略法を記せば
  • 自己記録を狙うレースにあらず、完走を目指せ。
  • スタートロスはない。焦るな。
  • 関門時間には絶対に間に合う。焦るな。
  • 15kmまでは下りを意識したペース管理を徹底する(調子コカないこと)。
  • 暑さ対策を施せ。(水、塩、食料)
となる。


案外つまらない結論になってしまった。
というか、僕はいつ北海道マラソンを走るのだろうか....

8 コメント:

匿名 さんのコメント...

実際に走っていないからこそできる客観的かつ冷静な分析ですね。まぁ、走っていないから分析しきれていない部分もあると思いますが。
参加している多くの人は、暑さ、関門などに気を取られ冷静な分析ができなくなっています。
おっしゃる通り最初の上り、下りのダメージは間違いなくありますよ。皆さんあまり言わないですが最初の上りがかなり曲者だと思います。
また、コース全体である盛大な応援が曲者です・笑。走力以上に頑張っちゃいます。
15~20kmでの落ち込みは様々な理由があると思いますが、15kmに入るちょっと前かな一条大橋を渡る時にちょい上ります。また15~20kmの間にはアンダーパスを通過するところがあり下って上ります←私は嫌い。建物による日陰の有無なども影響するかもしれません。また水のかぶり過ぎ(?)でお腹を冷やし変化が出始めたのもこのあたりです。
実際に走ると分析に更に磨きがかかると思いますので、来年は是非参加してみては・笑。
道マラには走らないと分からない魔物が住んでいますから。

たしろ さんのコメント...

To:おやぢさん
道マラ終了後、いろいろなランナーさんのブログを拝見して疑問に思ったことを中心に書いてみました。
まさに走っていないので「妄想爆発!」って感じでした(大笑)。正直言うと高低差などあまり体験することのない「十勝平野」ランナーなので、こういう傾斜にはかなり敏感なんです。

なるほど、やっぱ最初の10kmの上り下りが曲者ですか(特に最初に上りが曲者ですか)。本文中の「ペース維持型」はキャリアのある「ベテラン」ランナーでした。
15~20kmは橋やアンダーパスの通過で15kmまででヘバって来た足をまた酷使させられるのですね。
応援が気が抜けなくなる曲者ですね(笑)。きっとアドレナリンでまくって頑張っちゃうんだろうなぁ
そうそう、ブログを拝見した範囲では今年はおなかの具合を悪くしたランナーが多かったですね。
恐るべし、魔物の住む道マラ。

というか、別海は往路は上り、復路は下りですよね。かなり気になっています(汗)。

匿名 さんのコメント...

たしろさんの分析、大変役に立ちました(笑い)来年の北海道マラソンで参考にさせていただきます。後何年完走できるか年齢の挑戦も楽しみです。別海ではイーブンペースを心がけ昨年のタイムを目標に走ります。

たしろ さんのコメント...

To:カッチさん
お役に喜んでいただいてうれしいです(笑)。でも、カッチさんは既に実践なさっているんじゃないですか?
カッチさんの場合、釧路へ移住した影響で耐暑訓練の方が良いかもですよ(笑)。
冗談はともかく、本当に末永く走り続けてくださいね。
できれば、年々タイムを落としてください。そうしないと僕は一生追いつけそうにもありません(大笑)。

匿名 さんのコメント...

すごい分析ですね(゜o゜)
そういうお仕事なんでしょうか?

下りのダメージはあると思います。しかも昔は最初から下りだったけど今は登り下りがありますからねぇ。あと前半は暑い中、人間が集まるので実際の気温より更に高温多湿になります。私は今まで完走出来なかった年は、前半のこれでやられてしまいました。今年も危なかったのですが水被ったおかげで助かったのだと思います。それを25キロぐらいまで乗り切れると気温が少しずつ下がるし人も減るので完走出来そうな気持ちになってきます。

また第二折り返しの辺り、追分通とか新琴似一番通は風が強い日が多いので行きか帰りか必ず向かい風になります(今年は風弱かったのが幸いでした)30キロ前後になるのでダメージが出て来ている身体には辛いでしょう。

一般的には暑い年だと秋冬のマラソンで3時間40分ぐらいで走る力がないと完走出来ないと言っている人がいました。概ねそんな感じじゃないでしょうか?ちなみに私は人一倍暑さに弱いようで別海で3時間33分で走った年も完走出来ませんでした。

百聞は一見にしかず、来年は一度出場してみましょう。

たしろ さんのコメント...

To:naojiさん
仕事としては確かに「統計」も関係なくはないですが、専門的にそういうお仕事でもないです(笑)。一応、複数要因の相互関係からその志向する方向性を見出す仕事であるので統計、解析などはやってはいます。昔、マーケティングの専門化から「ヒントは数字にある」と教えられたころから、数字を見ては色々思いを巡らせ暇つぶしをして遊んでいました。単に自分の持つ疑問に根拠付けをしたいという欲求充足手段です(大笑)。
本当にマラソンは難しいですね。
naojiさんのLAPも参考にさせていただきましたが、20~40kmまでの頑張りよく判りました。単純な統計値としては「異常値」の範囲だと思います。偶然なのか、お知り合いのランナーと遭遇できたことよることが「精神的な支え」となり「肉体が反応」したんですね。
百聞は一見にしかず。その通りですね。
別海終わったら「その気になれる」かもしれません。

匿名 さんのコメント...

鈍感ランナーなので、前半の下りはあんまり気にしてないです。声援が多いから自然とペースが速くなりやすいのは確かです。15キロから少しずつ落ち始め30キロ過ぎてからの辛さは自分の場合、暑さだけでなく練習量が少ないからですね。来年はイーブンペースで完走したいのですが・・・
多分、たしろさんも来年は出るはずです(^_^)

たしろ さんのコメント...

To:晴れさん
サブ3.5を狙うという鈍足ランナーを見たことがありません(笑)。
晴れさんのLAPも参考にさせていただきました。参考としたランナーの中で2番目に5-10kmが前LAPより速かったです。30-35km、35-40kmのペースダウンはご自身のおっしゃるとおり練習不足かもしれませんが、5-10kmの加速が過ぎた影響ではないかと思われます。
晴れさんの完走記参考にさせていただいております。チアパックはよさそうですね。来年でることがあればコンビに袋にチアパックを入れて、手に巻きつけようと思っています。