-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2008-04-12

ヨムマラソン 42.195kmの脳内活劇-吉田誠一著-


読後スッキリする本だった。(上記イメージをクリックすると楽天ブックスから注文できます。)

ランニング暦約5年のサッカー記者のベルリンマラソン、ネス湖マラソンの「完走記」が中心になっている。
筆者はマラソンをまだ走ったことの無い人にランナーの世界の一端でも世間に伝えようと書いたらしいが、この本でそれが伝えられるかどうかはかなり疑問だ(笑)。
でも、ランナーならこの本に書かれていることの一々に合点がいくに違いない。

筆者は45歳、いわゆるサブ3.5ランナーだ。
今流行りの「楽しむマラソン」ではなく、いつも明確な目標タイムがあり、自己記録更新を狙うストイックにマラソンに取り組んでいる様子に結果はどうであれサバサバしていて僕には好感が持てる。

ベルリンは失敗レースであり、ネス湖マラソンはベルリンの失敗があればこその成功レースだった。
レース中に筆者はなにを考え、どう行動したか、失敗レースも成功レースもランナーなら

「そうそう、そうなっちゃうよね。」
「ああ、そうなんだ。そこを我慢しないとね。」
「そうか、だから俺はダメだったんだ。」
「そうそう、俺もそうやって自己記録が更新できたんだよ。」
など自分目線で読める。

全体的には一般的にブログで公開されている「完走記」風で平易に書かれていて読みやすい。なにより、レースの進捗過程が書かれているので一気に読める。

この本の中から僕のお気に入りの一節をメモしておく。
言うまでもなく、これは遊びの一つだが、本気度を高めないと楽しめない種類の遊びなので、「これは遊びである」という意識は心の底にうずめる。
もうひとつ
"Keep going,keep going"と唱える。ただし、恥ずかしいので声には出さない。心の中で念仏を唱えながら、粘る。しぶとく付いていく。「青春だぞ、これは」と思う。「とてつもない青春だぞ、これは」と思う。
わが意を得たり!

「★★★★★」

1 コメント:

匿名 さんのコメント...

いつもながらのすばらしい分析に脱帽しています。
コメントが遅れてすみませんでした。私のガーミンも蘇るかどうか期待しています。無理のない範囲で取り組んでください。ありがとうございます。次回も楽しみにしています。それにしても、すばらしい!!