-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2006-12-22

スピードトレーニングでタイムが伸びる

弘山晴美のマラソン術「スピードとレーニングでタイムが伸びる」(弘山勉著)

自分にとってはかなり衝撃的な内容の本だった。
この本の冒頭の「はじめに」を読むとこの本の想定してる読者の素地というか基盤が自分の素地・基盤が大きく異なることに気が付いた。
著者の弘山勉氏と彼のコーチする弘山晴美はいずれも高校時代から中距離ランナーであり、少しずつ距離を伸ばしマラソンランナーとなった。
対する自分は(彼女等と比較すること自体有意ではないのだが)、そもそもがダイエット目的で始めたランニング、とにかく長い時間動き続けるようにJogしてきた(陸上暦としては中学生まではあるが、高校生からはすっかり遊び人。)。その延長線上にマラソンがあったに過ぎない。

「はじめに」を読んでの感想を端的に書けば、常にタイムの向上を意識しながら距離を伸ばして来た彼女等とタイム不問でとにかく長く走るという自分とでは素地に違いがありすぎると思った。

もっとも、おなじく「はじめに」では百人百様で、あるトップランナーと同じ練習をしたからといって、同じ成果が得られるわけではない。と書かれている(当然だが)し、そもそも弘山晴美が高校生までにしっかりとしたトレーニングを積んできた素地があるからこそ可能な練習だということも書かれている。
つまり、この本は弘山晴美が行って来た練習には市民ランナーにも参考、応用できるものが幾つかあるだろうから、それを見つけてレベルアップしてください。という本だ。
この本のキモは
そもそもマラソンのタイムをあげるために必要なのは、「スピード」と「その持続力」だ。
そのためには、レース本番に遠いほどスピードアップを目的とした練習を行い、スピードレベルを上げること。その後走りこみをして距離に対する不安をなくし、本番が近づくにつれスピードを確認するという目的に移行すべきだ。
というところだろう。

以前「全体像としての練習方法について妄想してみた」にも書いたが、かならず一度はどこかの段階でスピードレベルを上げておく必要があることを再認識した。
そういえば、12月に入って坂道ダッシュ、W.S、インターバル等を行ってから最近Jogの速度が上がっていること思い出した。どことなく「もっとゆっくりで良いのに」と思っていたが、知らず知らずにスピードレベルが一段上がっていたのかもしれない。(いや、そんなに早く効果があらわれるか?:笑)

この本の良いところは
  • フォームに対する考え方
  • フォーム改善のトレーニング方法
  • 腕振りの重要性と実践
  • 筋トレ
  • ストレッチ
等について、写真やイラストを添えた詳しい(分かりやすい)説明がついていることだ。

一通り読み終えての感想として、
この本は所謂「ランニング入門書」とか「フルマラソン完走ガイド」ではないが、いわゆるビギナーであっても走る事に慣れ、記録を目指す(自己記録更新とかランナーごとに固有の目標タイムがあるだろう)ランナーは読んで損のない本だと思う。ひょっとしたらランニング雑誌に似たようなこと、同じ内容が連載されていたかもしれないが、自分はその記事を承知していないので、無礼があればご容赦願いたい。
「★★★★☆」

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