恒例のひとり反省会
昨日終わったばかりでなにをどう比較して問題点を抽出し今後の自分に役立てようか具体的な手法が思いつかないのだが、これを書きながら整理してみたい。
体調について
初めての前泊、しかも車中泊という通常とは劇的な環境の変化の中で望んだが、普段どおりの睡眠時間も取れたし、交流会による夕食会や自分で用意した食事の朝食とこれらについは特段なんの支障も感じなかった。
また、直前1ヶ月間で30km走を4度行ったことによる疲労はなかったか?についても、それらしきことは思い当たらず問題はなかったと思う。
しかし、いずれも「自覚」の範囲の話なので、実際はどうなのかは分からないというのが実情だ。
目標と実績の対比
目標については、こことかここで書いた通りだが一覧表にまとめてみると下表の通りだ。
目標 | 設定値 | 実績 |
完走タイム | 3:40:00(Ave.05:13) | 3:48:18(Ave.05:25) |
30kmまでのLAPタイム | 05:09 | 05:15 |
30km以降のLAPタイム | 05:23 | 05:49 |
Fr201からのデータに見るペース配分について
グラフにせずとも結果は分かっているのだが、詳細なLAPタイムをSportTracksから棒グラフを生成してみた。
左グラフの中に示した赤線が30kmまでの目標である05:09/kmペース、30km以降のそれは05:23/kmペースだ。
右図はFr201のトラックデータをカシミール3Dで標高データを描画したものである。赤線がFr201のデータで、緑の山が国土地理院50mメッシュデータによる標高図だ。
目標のペースに対する実績は置いておいて、一見して気になるのは18km以降のペースの落ち込み。確かに17kmくらいから「こりゃヤバイ」とは思っていたがこんなに落ちているとは思っていなかった。上記右図の通り18km地点で急激な上りになったということではない。
いったい18km地点にはなにがあるのだろうか?
参考データ(左:十勝健康マラソン、右:釧路湿原マラソン)を添付した。確かに17kmくらいにペースの断層があるのが僕の特性ではあるようだが、これらのペースより遅い状態で17km以降のペースダウンはあきらかにコースの上りによる「疲労の蓄積」によるものと感想を述べざるを得ない。
ここがコースの罠なのだろうが、想定していたペースにこだわり過ぎて自分自身がペース変更に柔軟な姿勢がなかった点も指摘できる。
また、21km以降は「下り」であるにも関わらず加速度的なペースダウンが見られる。前半の実質的な速いペースの影響もあるだろうが、「下り」という地理的情報に気持ちが甘えていた可能性を否定できない点が指摘できる。やっぱり、30km以降に落ちたペースを再び上げることは自分のレベルでは不可能だな。
LAPタイムによる「とよころサーモンマラソン」との比較
下表は今年の5kmごとLAPと去年のとよころサーモンマラソンのLAPタイムを抽出したものだ。
Km | 時間 | ラップタイム | 平均心拍数 | LAP_min/km | Toyokoro |
5 | 00:25:59.90 | 00:25:59.90 | 155(152) | 5:12 | 5:21 |
10 | 00:51:46.50 | 00:25:46.60 | 162(165) | 5:09 | 5:16 |
15 | 01:17:42.60 | 00:25:56.10 | 162(154) | 5:11 | 5:21 |
20 | 01:44:09.20 | 00:26:26.60 | 161(155) | 5:17 | 5:11 |
25 | 02:10:26.60 | 00:26:17.40 | 159(155) | 5:15 | 5:24 |
30 | 02:37:21.80 | 00:26:55.20 | 156(152) | 5:23 | 5:11 |
35 | 03:05:31.40 | 00:28:09.60 | 153(146) | 5:37 | 6:29 |
40 | 03:35:05.80 | 00:29:34.40 | 150(143) | 5:54 | 5:56 |
42.2 | 03:48:20.90 | 00:13:15.10 | 150(146) | 6:02 | 5:51 |
03:48:18.00 | 5:25 | 5:31 |
上記によれば、今回の別海町パイロットマラソンの結果は、30~35km間の落ち込みの5分間を解消しただけの結果だったと評価できる。
しかし、今年はとよころサーモンマラソンの反省から30~35kmの大幅なペースダウンを回避するための練習をしてきた。その点は練習の成果が反映された嬉しい結果だったと思う。
S610iの心拍数データについて
左は今回の心拍数のLogデータをグラフ化したものであり、青で描いた水平線はその区間の目標心拍数を示している(横軸にはLAP数が刻まれているがLAPボタンの押し忘れが何度かあり、LAP数が必ずしも距離を示していない)。
速度的な目標の前後半は30km地点を「中間点」としているが、心拍数では折り返し後の下りを考慮して折り返し地点を「中間点」としている。
心拍数を見る限り前半は「頑張り過ぎ」ていたように思える(ただし、それでもペース的な目標は達成されていない)。
前半の頑張りの影響か後半、特に30km以降(下のLAP数では20以降)において目標心拍数がキープするのが困難な状況になっており、この辺りからもう一段のペースの落ち込みが伺える。
去年のとよころサーモンマラソンの32.5~40km間おいて、心拍数が140前後で推移していたのに比べれば概ね150前後(最低でも145以上)で保てているため、ペース的にも去年ほど大きな落ち込みがなかったのだろう。この点、単に下りのコースに助けられたばかりではなく練習の成果が発揮出来たようなので嬉しく思う。
心拍数の目標について「心拍数156の妥当性」で書いていたが、今回のレースの結果平均心拍数は「157」となった。偶然にしては少々出来過ぎだと思う(やはりなんかの相関関係があるのだろうか)。
また、このことは平均心拍数的に目標が達成されたことを示しているが、その上でタイムが達成できなかったのは「心拍数に相応する速度」の見積もりを見誤ったということだろう。見積もりを見誤った原因は先にも書いた釧路湿原マラソンの過大評価と別海のコースの上りの過小評価がここに如実に現れていると思われる。
心拍数といえば、途中ご一緒した「スコップさん」に心拍数を聞かれた。僕は「161」ですと答えると、スコップさんは「144」という。(ichanさんもこのくらいの心拍数で走っていたことを思い出した。)
144は僕なら6分/kmをちょっと切ったあたりだろう。去年より最大心拍数が増大、安静時の心拍数が減少したので、運動強度の低い状態で去年と同じペースで走れるようになった。でも、絶対的な心拍数が低位になったというよりは現に上記の表にもある通り同じ心拍数でも運動強度が低い状態になった程度の実感しかない。それにしても同じ速度で走っていてこの心拍数の違いはどこから生じるのだろうか...
やはり自分のトレーニングの質に問題があるような気がする。
過去の30km以上のレースに於けるペースグラフの重ね合わせに思う
左グラフの赤線が今回の別海町パイロットマラソンでのペース推移(横軸の40~GOALまでの間隔がおかしいのはご愛嬌)。
まず、一目で今年の30kmまでのペースは去年の「釧路湿原」(ピンク)、「とよころ」(グリーン)に極めて近似している点を指摘できる。(もちろん、走っているコースは違うから単純比較はできないが、それらを補正する材料を持ち合わせていないので、ここでは単純比較する)
そういえば、去年は釧路湿原の結果に気をよくして豊頃で同じようなペースになってもペースダウンは考えなかった。無謀だったな(笑)。
こうして、ペース推移を重ねてみると、去年とよころサーモンマラソンでやりたかったことが、今年の「別海町パイロットマラソン」で実現されたような気さえしてくる。
もう一点、今年の釧路湿原は本当に頑張ったんだなと思う。このLAPタイムの乱れが自分の頑張りの証しで、この記録をベースに別海のプランを練り臨んだのは「少々無謀」だったと反省させられる。
一方、この一年間取り組んだ30km以降の落ち込み対策の成果が現れているなと思う。
やり直しができるとしたら
後になって「もし」「れば」「たら」は反則だが、経験をもとに今、もう一度走るとしたらペース設定をどうするか?を考えてみた。
ぱっ、と思いついたのは
距離 | ペース | タイム |
0~30 | 05:15 | - |
~Goal | 05:45 | 03:47:37 |
レースの装備品
というか、ウエア等の話
ランパンデビューを企んでいたが、予想されるリスクは排除するという原則に則りハーフタイツ(スパッツ?)にした。ここでちょっとした曲折があった。前日に準備した装備品から「ショートタイツ(スパッツ)」を除外していたのだ。本来ならショートとしたかったが、やむなく準備してきたハーフにした。
- 上:とかちeRCのTシャツ
- 下:ハーフタイツ(膝かくれる)
- 左腕:Fr201
- 右腕:S610i
- 携行品:パワージェル×3、ブトウ糖飴、(アスリートソルトは準備していたが、携行を忘れる)
問題点と今後の対応策
正直、今回の別海町パイロットマラソンの前半の上りコースには「やられた」(助けられもしているが、そこは忘れている)という感じがする。
コースが上っているのはあらかじめ分かっていたことだし、その対策もしていたが不十分だったと思う。22kmに至るゆるやかな上りは走っていなかった。現実には15kmのゆるやかな上りしか走っていなかったので、この点でも練習の成果が「そのまま反映された」結果だ。
そもそも「上り、上り」と騒いでいるのは僕くらいなもんだ。日ごろの練習コースは河川敷地で目立った傾斜はない。
もう少し、街中をJogしてみれば「そこそこのアップダウン」はあるのだから練習する場所を変えてみるというのも良いかもしれない。というより、そうすべきだな。
もっと傾斜道をつかった練習をするべきだな。そうすれば、心肺機能の向上にも良いだろうし、脚筋も自然に付くだろう。
今回、30km以降のペースダウンが去年のとよころサーモンマラソンより少なかったのはコースの下りに助けられたせいもあるが、日ごろやっていた「腹筋、背筋運動」の効果があったんだろうと思う。これからはもう少し増やしてみよう。(今までは10~20回程度を1セット。2セットにしてみるかな)
あと、今回の別海町パイロットマラソンの25km以降肩甲骨から首付近にかけて筋肉痛のような感じがした。よく考えれば肩甲骨から腕が振れている証拠だろう。そういう意味では「腕立て」ももっとやらないとな。
さぁて、また1年かけて別海町パイロットマラソンに挑戦するぞ!
6 コメント:
先日はお疲れ様でした。
「30~35kmの落ち込み」に目標を設定して、それがクリアできたのですから40分は切れなくとも成功レースでしょう。
次の課題も見えているようですし、まだまだ記録向上いけますね。
来年はホテル?キャンプ?民泊?それとも当日入り?
大抽選会を考えると「民泊」かな・笑。
To:おやぢさん
ありがとうございます。
1年前の反省から対策をしてきた結果がちゃんと出ている。と思います。
次に取り組む課題も見つけましたので、その対策に取り組みたいと思います。
それにしても「民泊」のランナーの当選確率が高かったですね(笑)。
それを考えると「民泊」も視野に入れておかないとですね。
でも、キャンプ(テント泊)になるような気がします(笑)。
お疲れ様でした。
筋肉痛は大丈夫ですか?
毎回のデーター感心します。
自分の場合、カンだけが頼りのペース配分なので。
別海も一度は出てみたい大会です。
To:晴れさん
昨日の朝に悩まされていた筋肉痛などから完全に開放されました。そういう意味では「強い体になった」と思います。
ペース配分をなにに頼るか?ということですが、結局は自分に頼るしかありませんので、自分の感覚を磨くことが重要だろうと思います。僕が機器を使うのはLogが欲しいというのが第一目的です。
データを眺めては「あれこれ」考えるのが好きなんです。必然的に「定点観測」が基本になるので、補正要素の少ないいつも同じ平坦地での練習になってしまいます。これでは実践のロードでは少々の起伏が気になるワケです(笑)。
別海は良い大会だと思います。ぜひ、ご参加ください。
追伸:
まだ新しい靴は買っていません(大笑)。
自己ベスト達成、おめでとうございます。たしろさんの分析はいつも楽しく拝見させて頂いてます。右肩下がりのなかなか良いペース設定だとおもいますよ。
To:ichanさん
ありがとうございます。なんとか頑張らせてもらいました。
別海の前半の上りを気にするようでは「まだまだ鍛錬が足りない」ということが分かりました。あまり平坦なところばかり走っていてもダメなんですね。良い勉強になりました。
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