-絶え間なく鍛えた者だけに栄誉が訪れる-

2008-05-26

僕の洞爺湖マラソン2008

止みそうも無い小雨の天気の中、盛り上がらない気持ちのままスタート地点に「ねっとラン札幌」の皆さんが場所を確保しているとのことで、カナダさんとそこへ向かう。

着替えは終わっている。とかちeRCのTシャツにハーフタイツ、一応サングラス(イエローレンズ)にグローブも。あとはウィンドブレーカーを脱ぐだけの状態。

集合場所付近にはkuriさんがURCの場所にいた。再会のご挨拶やらしているとOgamanさん、しなそばさんを発見。Ogamanさんは人気ものだ。というか顔が広い。あちこちからランナーがやって来て再会を喜んだり、近況を報告しあったりしている。ただ、聞けば天候がよろしくないので「モチベーションが上がらない」ということだった。
しなそばさんはこの日の為にランパン、ランシャツ、シューズを新調している。その気はあるが天候に戸惑っているようだ。
カナダさんはサブ3.5狙いのペースを腕にマジックで書き込んだ(大会本部に行ってマジックをかりたらしい)。

全てのランナーの気持ちが盛り上がっていなかったと思うのだが、スタート地点への集合時間が近づく。
しなそばさんと集合地点に行くと前の方に「登録選手」のプラカード、その後に「一般参加・3時間以内」のプラカードだ。北の大地さんのブログやカナダさんのブログを見ていたので「登録選手」の後方へ並ぶ。
カナダさんはおまちゃさんと僕の前方約10m程度のところに位置している。今日はカナダさんと僕の目標は一致していない。残念ながら一部の読者の皆さんが期待しているバトルは無しだ(大笑)。

この期に及んでも僕は今日はどうやって走るの決めていなかった。目標心拍数も決めていなかったし...というか、全然考えていなかった。そりゃ漠然とサブ4で走らなきゃというのはあったけど、それくらいのことしか考えていなかった。

で、スタートの号砲!
前に並んでいたんだけど、号砲からスタートラインを通過するまで13秒ほどかかっていた。そうこうしているうちに後方からサブ3軍団に追い越され行く手を阻まれのろのろ走り。目標タイムとか設定しているとここで焦るし無理をするのだろうが、そこは目標もなく実にリラックスしていた。
1km通過は5分56秒(以下、タイムは全て手元のS610iによる)。ま、そんなもんだろうと思っていたら道が開けて速度が自然と上がる。2km通過は4分57秒、なんぼなんでも速いなと思いなおしゆっくりしているうちに後方からどんどん追い越されていく。このときの心拍数は150ちょっと越えたくらい。なんぼなんでもゆっくりすぎかな?と思いつつ、今日はとかちeRCの記録会の反省を踏まえつつ、レースであることを加味、160前後の心拍数でゴールすることを目指す。(2km通過にして、やっと今日の目標が定まる)

体が温まってきてサングラス(サングラス付き眼鏡)が曇る。加えて、霧雨とも雨ともいえる滴がレンズに張り付き視界は不良。自分の腕時計の数字を読むのがやっとで景色も風景もへったくれもない状態。
5kmの折り返しで知った顔を探し出して激励しようと試みるが探せない。というよりも見えない。会場に来てから携帯にメールはくるものの姿を見ていないはせがわさんを一生懸命探したがダメだった。むむ?まさか雨なので帰った?(僕じゃないんだから、そんなことはないんだけど:笑)
心拍数レベルで目標を定めてみたものの心拍数155~165で5分~5分10秒のペース。ちょっと速いのかなぁと心配していたら上りのある13、14kmあたりの区間で5分15秒/kmにペースが自然と落ちた。これをきっかけにこのペースを維持するように努めてリラックスを心がける。

少しペースを落としたせいか、後続のランナーにどんどん抜かれる。自分のペースが落ちたのか?と疑いたくなるほど抜かれる(笑)。
20kmくらいで応援で中洞爺?に来ているnaojiさんを見かけるが発見が遅れて手を振る、声を出すというアクションが出来ず、結果的に素通りしてしまう(ごめんなさい)。

20km手前だったか、過ぎてからだったかカナダさんと並んでスタートしたおまちゃさんを捉える。カナダさんはずーっと先ですか?と聞くとずーーーーーっと先だとのこと。こりゃバトルは本当にないな(笑)。

20kmのバナナの給食をいただいた辺りから手が冷たくて感覚がなくなってきた。

そういえば、最初の給水は10kmくらいで、以降2.5km刻みにスポンジ、5km刻みに給水所があった。全ての給水、スポンジをありがたく頂いてきたが十分寒いのでスポンジはパスすることにした。
5kmごとの給水は速度を落とし(他のランナーの邪魔にならないようなコース取りで)歩きながら、水とBCAAを飲み、紙コップ回収袋にコップを入れて再スタートするようにしていた。10、15kmでBCAAを頂いたときは走りながらだったので顔、胸にドリンクがかかり「やたらとベタ付いた」気がしていた(雨も降っているし、実際にはベタ付きはなかったと思う)ので、そういうやり方にした。いつもは、無理にでも走りながら飲むのだが、僕のようなレベルでは走りながら給水することはかえって一時的に心拍数が跳ね上がりペースを乱すもとになっているような気がする。eRCとかちの記録会でも立ち止まって給水し、再スタートするというやり方だったので、こういうやり方の方が無理なく確実だと思った。そして、今日はそういうやり方が僕のルールだ。水を取ってからコップを捨てるまでの距離を歩くのは罪じゃない。ルールを守っているに過ぎない。

なんせ、特に知ったランナーと一緒に走っているワケでもなく、天気も悪く雨煙りというか、霧に隠れて洞爺湖の湖面も見えないのでのでブログのネタになるようなことがない。
じゃぁ、退屈だったかというとそんなことはない。湖畔に居住する人々やお土産屋さん等の皆さんが雨の中沿道に出て応援してくれている。どこだったかな30kmくらいのところだったろうか腰の曲がったおばあちゃんが手をたたいて応援してくれていた。雨で風邪ひかないでねと願うことだけが精一杯の返礼。

20km以降は自己ヘルスチェックの連続だった。

  • 足、脚に痛いところはないか?
  • もし、痛ければゴールまでもちそうか?
  • 呼吸は苦しくないか?
  • 痙攣のおそれはあるか?
等、eRCとかちの大失速があるので、その時との比較で自己診断する。
手が冷たくかじかんで感覚が無い以外は問題なさそう。もうちょっとペースは上げられそうだ。どうする?と自分に問いかける。
そういえば「30kmまでなにもするな」とnaojiさんがどっかに書いていた記憶が頭をよぎる。いつもは、コース図(特に高低差)を見て予習しておくのだが、今回はあまりコース図の記憶がない(笑)。あまり大きな上り、下りはなかったように思うが...あれだ、こういう時は先輩の言うことを守っておくものだと思いなおし、現状を維持することにした。

30kmを通過する。そろそろ「なにが起きても不思議じゃない」ころあい。ガツンとペースが落ちる。あちこち痛み始める。そして、それに耐えられなくなる。eRCとかちの記録会では35kmでガツンと来た。全部一遍に来た。プリプリ痙攣もあって歩きが入った。
しかし、それをおそれて余裕のあるところへのペースダウンはしない。まだ大丈夫だ。来るべきものが来たら御しようが無い。それまでは今のペースで大丈夫だ。落とすな。
目標タイムは定めていない。なので、貯金はない。5分10~20秒のその日その日を精一杯に生きる日暮し的なレースなのだ。貯金がないので、ここで緩めることは「即、借金になる」。

それでもやはり段々と苦しくなる。一時期、骨盤が外れそうな感覚を覚える。足、脚にバネがなくなり水溜りを避けるという軽度な敏捷性すらなくなる。避けられず水溜りにじゃぶじゃぶ入り、水の抵抗でバランスを崩しそうになる。
前にいるランナーから離れるな。彼(彼女)に並べ!追い越さなくても良い。並べ!離れるな!と何度も心の中で繰り返す。そう、先日読んだ「ヨム マラソン」にあった Keep going!の念仏と同じだ。

いよいよ35km通過。
まだカナダさんの姿は見えない。白のキャップはありふれているが、スカイブルーのランシャツはそうない。目立つ格好だ。でも、見えない。
自分の念仏を繰り返しつつここまで来た。まだ大きなペースダウンはない。これから来るんだな。と覚悟を決める。そういえば、温泉街が見えるのになかなかゴールに近づかなくて滅入るというのを北の大地さんのブログで読んだな。雨とサングラスについた雨粒でなにも見えないのは好都合だ(笑)。
コースはどうなっていたっけ?確か、一旦上って、あとはずーーっと下りだったハズ。どこで上る?どこだっけ?
とにかく、あと7kmちょいだ。完走予測タイムを計算しようにも計算できない(笑)。
残り5km地点。これなら幾分計算が楽だ(笑)。6分/kmで...む、それは別海の自分を越えられない。じゃぁ、5分/kmで...計算できない(大笑)。
面倒だ。とにかく今の5分半/kmペースを維持。そうすれば別海の自分を越えられるし、ペースダウンに甘えなかったことにもなる。それは立派なもんだぞ。と自分にエサを与える。

40km地点。
給水はどうしようかと思った。寒いし、喉の渇きもない。給水によるパフォーマンスアップはあるかもしれないけど、ここで緩めては元に戻せないことの方が心配だ。ということで突っ切る。併走していた多くのランナーが左側の給水テーブル側を空け右側通行で突っ切る。皆必死だ。歩いているランナーはいない。ヘロヘロになりながらも走ることを放棄できないところに来ているのだ。ここが正念場だぞ。

さきほど骨盤が外れる感覚に襲われたが今はそれがない。そういえば、大きなペースダウンはなかったのだ。
相変わらず水溜りは避けられないけどあと2kmじゃないか、まだ大丈夫、頑張れる。

と...

スカイブルーのランシャツ、ランパンを発見。白のキャップ、ランシャツの下には白のTシャツ。間違いないカナダさんだ。
ここで追いついた。というか、ここかぁ...お互いに死力を絞りここまで来たのに。あと1km向こうにゴールと思われる人だかりが見える。
以前「抜かぬは剣の極意」と書いた。一方で、「見えたら抜く」というカッチさんの教えもある。そして、抜くことを「大人げない」の謗りを受けることだってある(笑)。ゴール前100mで抜いたのでは確かに大人げない。
カナダさんはヘロヘロだ。抜くのは難しくない。見る見るカナダさんに迫る。どうする?どうする俺!
カナダさんはゴールに向かって右側を走っている。隣を抜けて行くのは気が引けた。
僕はコースを左に取り、とにかくあとは全力疾走だ。カナダさんが居ようが居まいがゴール前で死力を尽くすのはランナーとして当然ではないか。
とにかく、残る全てを出してゴール。(ゴール後「ゴール付近で立ち止まらないでください。ゆっくりで構わないので前にお進みください。」のアナウンス。係員に促され前方へ歩いていく)
カナダさんを抜いたのは残り何メートルだったのか分からない。自分のゴールタイムから推察するにカナダさんも自己記録を更新したに違いない。
僕も自己記録を更新した。お互い頑張って、去年の自分を越えられたのだ。それで良いじゃないか。

スタート前の集合地点に足を引きずりながら行く。
不思議だ。さっきまで走っていたのに、今は歩くことがやっと。
その短い時間で左足の親指の爪が異常を訴える。ああ、また白爪にしてしまったな。
そして、こんどは左足小指の付け根がジンジンと鼓動を打って異常を訴える。ああ、ゴールまでもってくれた。
心拍計のトランスミッターと擦れたところに雨、汗が染みて痛い。ふと胸に目をやる。今日は出血しなかったな。

集合場所に戻るとしなそばさんがニコニコしている。どうでした?3時間15秒(だったよね)でした。なんか、やっちゃいましたね(笑)。というのが清々しい。なんとかならんかったのか?に最後はシッカリ緩むことが無く走った結果なのでしょうがないですね。とのこと。
まぁ、しなそばさんなら次は大丈夫だろう。

たくとさんは寒いので引き上げたとのこと。長谷川さんはどうやらサブ3達成したらしいとのこと。
みな頑張ったようで良かった。

寒い。
とにかく寒かった。不思議と腹は減っていなかったのが面白いところだ。
ウィンドブレーカーに着替えようにもしゃがめない。しゃがんだら立てない(笑)。やっとこさ、暖かいものを着込んで「寒いから撤収するね」としなそばさんとトコトコ駐車場に戻る。
雨が降っている。手にはビニール傘を杖がわりにしている。今まで散々雨に降られたので...ということではない。足がなにか訴えている。僕は傘を杖にして、ほんの気持ち程度だけど足の負担を軽減してやることしかできなかった。

これから約300kmのドライブ。幸いにもオートマだけど、車のシートに座るとケツキン、ハムが悲鳴を上げている。

道中、携帯メールの交換会。金曜日の夜にフル充電してきたのに、電池切れ寸前となりシガーライターから充電しつつメール交換会に参加しておく(大笑)。

謝意
前日、当日とお世話になった「ねっとらん札幌」の皆様、あまりの寒さに撤収のお手伝い、ご挨拶をそこそこに洞爺湖を後にしていまいました。申し訳ありませんでした。
いずれどこかでまたお会いすることもあると思います。こんどはお手伝いさせていただきますので、ご容赦願います。

6 コメント:

吉田 さんのコメント...

はじめまして
東京の吉田と申します。洞爺湖マラソンお疲れ様でした。いつも拝見させていただいております。長距離なんかやったことのないずぶの素人の私が、何を思ったのかNAHAマラソンに出場しようと思いまして、昨年の9月から走り始めました。元々は波乗りをやっていたので体力には少々自信がありましたが、いざ走ってみるとマラソンって何でこんなに辛いものかと思いました。負けず嫌いの私でしたが、何回も心が折れそうになりました。いざ本番を迎え、フル初参戦にして完走(ネット5時間26分)という目標を達成できました。以来、その達成感を味わいたくて走ることにはまってしまいました。その後は10kmに2回(51分・新宿シティ、46分・佐倉)フルマラソンに1回(4時間22分・かすみがうら)とレースにも積極的に出場するようになりました。45歳で始めたマラソンなので、ただやみくもに走るのではなく、効果的な練習方法やグッズを勉強しようと思い、そんな中でたしろさんのブログに出会いました。たしろさんの客観的で理論的な文章がとても参考になり、日々の練習に活かさせていただいております。これからもよろしくお願いいたします。

たしろ さんのコメント...

To:吉田さん
ありがとうございます。なんとか洞爺湖マラソンを自己ベストで終えることができました。
吉田さんも来年は観光がてら出場されてはいかがですか?今年の洞爺湖は天候に恵まれませんでしたが、天気が良いと気絶するほど良い景色の中を走ることができるそうです。
去年の9月から走っていらっしゃるとのこと、そして、サブ4は目前ですね。頑張ってください。
但し、僕のブログの記事は「もっともらしく書いています」ので、その真偽は僕にも分かりませんので注意してくださいね(笑)。

北の大地 さんのコメント...

雨の中ずぶ濡れになりながらひたすら前を目指すたしろさんの様子が目に浮かぶようです。素晴らしい激走ぶりでした。次はもっと上に行くことでしょう。お疲れさまでした。

たしろ さんのコメント...

To:北の大地さん
なんとなく照れくさいです。
北の大地さんのブログの記事を何度も読みかなり勉強させてもらいました。かなりイメージトレーニングができたのですが、天候がよろしくなく風景(想像してた)も見えず、自分がどの辺(何キロ地点)を走っていて、先になにがあるのかさえよく分からないまま走っていました(笑)。
どこまで頑張れるか、分かりませんがもうちょっと頑張ってみようと思っています。(できれば、天気の良い洞爺湖をプラプラ走ってみたかったと思います)

Yuya さんのコメント...

たくさん登場させていただいて、ありがとうございます (w
ぼくの方も、早く、完走記をアップしたいところです。
たしろさんのブログを読んでいると
一緒にビールでも飲みながらレースを振り返りたい気分になってきます。

たしろ さんのコメント...

To:yuyaさん
たくさん登場していただいたのは、僕が勝手に注目していたからでしょう。
eRCの記録会のタイムを聞いて、本番ではひょっとするかも!と思っていました。
洞爺湖での後半のネバリというか、ペースアップ(結果的に)は「どういう体幹力なんだ?」と脅威を覚えます(笑)。
マゾ度を少し引き上げて練習すればロンドンにいけるかもですよ。