がっつりと長文になったので、結論を先に書いてみる。時間のない人は「6.まとめ」を読むのが早いですが、なぜそうなのかは全部読まないと分かりません。(読んでも分かるかは保障の限りではないですが:汗)
結論:靴選びは「目的」と「自分の足」に合ったものを選べ!
注意
この記事は雑誌、Web等からの情報を自分の経験を加味して得た靴選びの基準についての現時点での「私的結論」なので、内容についは保障の限りではありませんし、明日には今日とは違う「私的結論」になる可能性を含有するものですので、その点を含み置きください。
また、実メーカー名を挙げていますが、単に思いついたメーカー名を挙げただけで他意はありません。シューズ選びのキモがメーカー(ブランド)に頼ったものではなく、あらゆるメーカーから自分に最適な一足を選ぶための基準を自分なりにまとめてみたというのが本旨です。
さて、メーカーの数、メーカーの出している種類がたくさんあって、なにを買ったらよいのか分からないのが現状。さらに趣味や嗜好もあって事態は一層複雑になっていると思う。
足が入る靴で良いなら割り切って「趣味(好み)」で買ってしまったほうが迷わない分、ストレスがないと思う。
1.目的を明確にして、自分を知る目的が明確な場合は好みで選んではダメだと思う。目的自体も多種多様だ。
たとえば、太り気味の人がダイエット目的でJogする場合を考えると、Jogができれば靴はなんでも良いことになるけど、この人が底がペラペラのタウンシューズでJogを始めたら多分「故障(膝、足首、腰)」して継続して走れなくなる(よね)。すると目的であるダイエットができなくなる(目的不到達)。
つまり、この人には自分の体重に見合う安全な靴が必要なはず(この場合の安全性は「クッション性」や「安定性」だと思う)。
こうして考えてみると、靴選びの基準は「目的」と「自分の能力(キャリア、体重などの身体能力)」を明確に把握する必要がある。たとえば、上記にあてはめると同じダイエット目的でも体重が90kgの人と70kgの人では選ぶ靴は変わるし、将来Jogの効果があらわれて体重が減った場合に履く靴が変わっていいことになる。
1.1 目的にあった靴とは各メーカーのサイトでは商品をランナータイプなどで分類しているが、どうもこの分類は誤解を招きやすい分類(表示の仕方かな?)だと思っている。
たとえば
Mizunoの商品情報にはランナータイプ別(「目標」「月間走行距離」)の商品提案がマトリックスで表示されている。これはあくまでその人がレースでパフォーマンスを最大限に発揮するためのレース用シューズの提案であって、練習を含めたシューズの提案ではないと思う。
「目標:マラソン大会2時間40分以内」「月間走行距離:350km」の人だって7分/kmのJogやLSDだってするわけで、そういう場面のシューズを提案をしているわけではないだろうという意味。
1.で書いた「目的」と目標がごっちゃにならないようにしないと
「ウェー ブ クルーズ」でJog(6分/km程度)して故障する羽目になるんじゃないだろうか。
Jog用の靴は「目標:マラソン大会4時間~完走」「月間走行距離:100km以下」で提案さ れるシューズの中から選択するべきだろうと思う。
このマトリックスで示されている走破タイムを「練習で走るタイム(ペース)」に置き換えたら分かりやすいと思う。
つまり、サブ3ランナーだってJog(LSD含む)するときにはそのペースに最適な靴を選ばなければ、練習効果がないばかりか故障するために練習していることになるのでは?と言いたいわけです。
2.情報収集目的や自分の能力を適切に把握しても、どの靴が最適なのか分からないという重大な問題に行き当たる。
一般的にはショップで相談するが推奨されているけど、経験的に「本当に大丈夫なのか?」というショップの店員が多いのも現実のような印象をもっている。
仲間内で信頼のおけるショップの情報を入手して、そこに相談するのがもっとも安全な方法になるけど、そういうショップはどこにでもあるわけじゃないというのが現実で、やっぱりユーザーは仲間うちで情報交換をしつつ試行錯誤を強いられているように思う。
結局はある程度は自分で情報を収集して、自分でリスクを背負って選んでいかざるを得ないのが現実。
情報収集源としていろいろあるが、自分は
ということになる。ただ、雑誌は経験的にライターの手腕(物欲をそそる書き方)やいろいろな背景(スポンサーだったり)があるので鵜呑みはできないと思う(汗)。
自分は地方の小都市に在住なのでもっぱらWebからの情報が頼り。特に「
プロが教えます。!正しいランニングシューズの選び方!」はいろいろと参考にさせていただいている。
3.靴を知る
各メーカーにどのような靴があって「クッション性」「安定性」の実現のためにどのようなテクノロジーが使われているのか分かるので、とりあえずは各メーカーのWebサイトをズラーっと一読することをお勧めする。
特に「テクノロジー」に関して紹介されているページは必見です。おもしろいことに各商品のスペックを見ていくと、商品ごとに設定している(想定している)走破タイム(ペース)があがればあがるほど各メーカーのウリである独自のテクノロジーをそぎ落とし(最小限の搭載に留め)ているのが分かっておもしろいと思います。
どうやら、そぎ落としていくとどのメーカーも大同小異で差がなく、究極的にはどれでも同じ(足に合っていれば)なんじゃないか?と思えます。
もし、そうだとすると各メーカーが競い合って開発した独自テクノロジーってやつはその効果としては実のところ究極的には大同小異なんじゃないか?とも思えてきます。
NikeのAIRシステム vs MizunoのWAVE vs アシックスの GEL vs SAUCONYの Gridシステムに代表されるような独自システムは、ユーザーから見ればその効果は「そう変わらない」とも思えます。
しかも、似たような価格帯なら似たようなクッション性、安定性の効果があると思えるのです(但し、ユーザーのフィーリングというか好みのようなものは確かにある。以前Mizunoのマーベリックを履いていて気が付いたがGT-2080に比べると着地時の感触がちょっと硬いと感じた。クッションは効いているのに着地の瞬間に硬いと感じるのはアウトソールの素材が原因のような気がする(あくまで感想)。)。
あと、靴に施されたデザインである「ライン」とか「はと目位置」などはデザインに隠された機能を察知するのは重要だろうと思います。
靴紐でどこのはと目を締めるとどいうホールド感がでるのか想像してみることはフィッティングの際に役立つと思います。たとえば、アディダスの三本ラインやアシックスの縦方向の二本のラインは単に「デザイン的」なものではなくて、幅のホールド感を出すのに良い位置にあると思いませんか?
4.足に合ったサイズとは?どのメーカーでも同程度の機能と効果が期待できると仮定すると、自分の足に合った靴(サイズ)で選ぶしかなくなります。
じゃぁ、自分の足に合った靴(サイズ)は?となるとこれは実際に履いて試すしかない。
そもそもサイズとしての数字が一緒でもメーカーごとやモデルごとに足を入れた感覚が違っていますよね(大きく感じたり、小さく感じたりする)。これは誰もが経験していることで、経験的に正しいと思うのだけれど、そうすると今履いている靴のサイズは参考数字にはなるけれど、絶対ではないことに注意が必要だろうと思う。
実際にはサイズは「数字」で選びがち(今、26.5cmを履いているから...26.5cmを選ぶ)だが、その前に今履いている靴で正しい靴の履き方を試して、今のサイズで良いのか?確認すべきだと思う。今現在の靴の履き方がルーズで実は足に合っていないサイズのものを履いている可能性があるからだ。ルーズに履いている人は、言い換えれば、自分の足が入る靴を履いている靴を自分の足に合った靴と「誤認」しているに過ぎない(正しい靴の履き方については、上記「
プロが教えます。!正しいランニングシューズの選び方!」のBlogを参考にすべし)と思う。
参考までに試し履きをするのは「午前中」が良いか「夕方」が良いかという議論があり、一般的には「夕方」がいいことになっている。
確かに夕方は一日の疲労によって足のアーチ(縦方向、横方向)が落ちて5mm~10mm程度は足長が変わるらしい。
しかし、日曜日の09:30スタートの10kmのレース用に履く靴を探している時に夕方に試し履きをしたらどうなるか?大きな靴を履くはめになりませんか?(そこそこトレーニングを積んでいるランナーは10kmくらいじゃそれほどアーチは落ちないでしょう。)
「目的(09:30スタートの10kmのレース用)」「自分の能力を知っている(10kmくらいじゃアーチは落ちないと思う人)」にあわせるなら「午前中」に試し履きするのが正解になると思う。
5.シューズ選びのポイント足は十人十色で大きさや形状がことなるけど自分の足にあった靴を選ぶポイントは?
シューズは「踵」と「幅」のホールドの優先順位は最高位だと思う。
じゃぁ踵と幅はどっちが優先順位が高いのかについてだが、諸説あるが自分は「踵」派です(最初のチェック項目としてはいわゆる「棚落ち」(靴底から足がはみ出る状態)チェックはします)。
で、なぜ「踵優先」かというと、踵のホールドは補正ができないと思うからです(経験的に幅は紐の締め方(正しい靴の履き方)、コルクシートでごまかせるけど、踵はごまかしがきかないと感じている)。
フィッティングについては感覚的な側面が大と思うのですが、具体的には実際に歩いたり、走ったりして足の踵に靴の踵がついてくるものじゃないとフィット感というかホールド感はないです(よね)。
チェック手順としては、対象となる靴に足を入れて(両方足とも履きます)
- 直感的なサイズチェック(明らかに大きいとか、明らかに小さいとか)
- 正しい靴の履き方をしてサイズチェック(明らかに大きいとか、明らかに小さいとか)
- 棚落ちチェック
- 踵のフィット感チェック
- 幅のホールド感チェック
- 足先(指)に大きすぎる余裕がないかをチェック
をして、この感覚を覚えておき、同じモデルのワンサイズ小さい靴で上記と同じチェックをして、この両者を比較します。
この手順を2モデル(計4回試し履きすることになる)で試します。
最後に一番しっくりするものを履きながらこの靴の「目的」をチェック。迷いがなければ「レジ」に行きます(笑)。
迷う場合は、他のモデルで同じ作業を繰り返します。何度でも何日でもショップに足を運んだ方が良いでしょう。日ごろから暇のあるときにショップでこの作業を繰り返しておいて「どのモデルはどんな感じだったか」を知っておくのは悪いことではないと思います。
6.靴選びのまとめ1.の「目的を明確にし、自分を知る」ことが重要。と述べた。
2.で各社の靴の概略を理解することは有用な情報であるとした。
3.で同一価格帯なら、各社とも機能はともに似た機能があって同程度の効果が期待されると仮定した。
4.でサイズは数字にまどわされてはいけないことを確認した。
5.で試し履きの手順を例示した。
結局のところ「靴は目的に合った、自分の足に合う靴(サイズ)を選ぶべし」という極々あたりまえの原則に行き着くことになった。
そして、この結論は靴の持っている機能を発揮するための必要条件であることは想像に難くない。
どんなランナーだって6~7分/kmのランニングをする(疲労抜き目的とか)。
あなたは目的にあった機能を搭載した靴を履いていますか?
あなたは6~7分/kmペースに必要な機能を削ぎ落とした(最小限の搭載に留めた)靴を履いていませんか?
7.で、現実としてお前はどうなのよ?
1~6までに御託を書いたが、現実の選定には1~6に加えて「予算」という超現実的な問題と、多目的という経済性を考慮した工夫と言う名の「制限」が加わる。
いずれにせよ「制限」(予算、目的の多様性)が付けば、「なにを重視」し、「なにを犠牲」にするか?(目的の優先順位)を決め、どこかで妥協するしかないだろう。
但し、絶対にサイズで妥協(目的に応じた靴サイズの最適なものが分かっているのに、大きめの靴を我慢して履く、あるいは我慢して小さいのを履く)してはいけない。
妥協しない方法としては、試し履きはショップで行って商品は決め撃ち。狙いを定めたモデルについて粘り強くネットオークション等で安値での購入を目指す(とか?)。制限があるなら、それに打ち勝つ努力や手間を惜しまないということが必要かもしれませんね。
で、私は予算と多目的のほかに「試し履きができない」という制限が付きます。札幌にでも行ったときには試し履きができるのでしょうが、そうそう頻繁に札幌へ行っているわけでもないですので、あれこれとネットオークションで安物を買って「実費で試し履き」をしているようなもんです。
もっとも、このおかけでSAUCONYの踵のホールディングの良さに気がつきました。
これがシューズ選考の際にメーカー不問となった最大の出来事です。
今年になって購入した靴は全部で6足で、ちゃんと試し履き(したつもり)しても2足(何れも冬眠明けのシーズンはじめで、試し履き時間は夕方)はサイズが大きすぎ里子に出している次第。
最適の靴を履いたからといって必ず速く走れるようになる保証はありません。でも、最適な靴を履いた方が「速く走れるようになる可能性が高い」ですよね(多分)。
私はこの可能性を求めて過剰投資している状況です(笑)。
正直にいうと自分は10kmで50分程度、ハーフで1時間48分程度ですから、5分/kmなペースなわけです。そうだとするとおのずとたとえレース用であってもターサーなんかは選択肢に入らない漢なわけです。